すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

その結び方を覆っているもの

2014年07月02日 | 雑記帳
 昨日、本県大館市の教育長である高橋善之氏の講演を拝聴した。「未来ゆきの乗車券」と題したそのお話は骨太であり、困難ではあるけれども何とか現状を打破したいという気概の感じられるものだった。概要の一部はこの文章によくまとめられていると思う。秋田県人なら多くが抱いている危機感がそこにある。


 進められているプロジェクトは、子どもたちの活動の広がりを地域住民が支え、その動きを地域活性化につなげていく構図のようである。着実な歩みを見せている。これは、かなり意図的に進められた結果であり、表面的な活発さだけのものとは一線を画している。その点を「未来戦略」と言い切るビジョンも力強い。


 氏の実行力に敬服しつつ、どうしても拭いきれない思いがある。本県やそれぞれの市町村が「生き残る」ための大きな資産は、「学力日本一」の子どもたちであるという論は、確かにその通りだろうが、誤解を生みやすい表現でもある。平均値としての「学力」が高いことを「地域」や「将来像」とどう結びつけるのか。


 それにしても25年度全国学力の本県偏差値「83.73」に驚く。言われるように下位層の値が高いのだと思う。特に活用Bがいいとすれば、その可能性の一つに良いフォロワ―づくりといった点を見いだせるかもしれない。つまりは周囲とコミュニケーションがとれ、実行力もあり、リーダーと共に歩めるという資質だ。


 そういう学びを形づくるに必要なのは、まずは楽しさだろう。教科書中心の座学だけでは叶わないが、関連させる具体的な体験や活動の適切な選択さえあれば、結びつかないものでもない。ただ一方で、一定水準の「学力」を目指すために、画一化の道を歩んでいる現状を思うと、どうも萎んでいきそうな気もする。