「2014読了」66冊目 ★★
『短歌ください』(穂村 弘 角川文庫)
雑誌『ダ・ヴィンチ』は年に1,2回しか買わないので,投稿コーナーがあることは知っていたが,あまり記憶にない。
いずれ,穂村弘選による読者の短歌と選者の評によってまとめられている。
穂村の『短歌という爆弾』には触発されたが,実際には少々難解なところもあった。その点,これは実にわかりやすく,穂村の考えが伝わってきた。
一番わかりやすいのは,何度か繰り返されている次の言葉だった。
怖い歌はいい歌
短歌の爆弾性に通ずるし,もっと広げれば毒薬性という見方もできよう。
雑誌の性格上,10代,20代が中心の投稿で,40代以上は数えるくらいだが,なんとなく共感できるものが多い。
特に職業上気になるのは,学校を対象にしたものだ。
ページの折り目は本当に多く付いたが,教師を対象?とした三つばかり紹介してみる。
この街の6時のサイレンは半音くるっていると言った先生
先生は消防車走る昼間でも有無を言わさず指名している
三階の教室に来たスズメバチ職員室は一階にある
いずれにしても,お気楽のように見えて,冷徹な観察眼が感じられる。
どこかに醒めや痛みを感じている「子ども・元子ども」にとって,観察の対象として教師ほど典型的で,見えやすい者はいないのかもしれない。
自虐的な笑いも浮かんだ短歌集であった。
『短歌ください』(穂村 弘 角川文庫)
雑誌『ダ・ヴィンチ』は年に1,2回しか買わないので,投稿コーナーがあることは知っていたが,あまり記憶にない。
いずれ,穂村弘選による読者の短歌と選者の評によってまとめられている。
穂村の『短歌という爆弾』には触発されたが,実際には少々難解なところもあった。その点,これは実にわかりやすく,穂村の考えが伝わってきた。
一番わかりやすいのは,何度か繰り返されている次の言葉だった。
怖い歌はいい歌
短歌の爆弾性に通ずるし,もっと広げれば毒薬性という見方もできよう。
雑誌の性格上,10代,20代が中心の投稿で,40代以上は数えるくらいだが,なんとなく共感できるものが多い。
特に職業上気になるのは,学校を対象にしたものだ。
ページの折り目は本当に多く付いたが,教師を対象?とした三つばかり紹介してみる。
この街の6時のサイレンは半音くるっていると言った先生
先生は消防車走る昼間でも有無を言わさず指名している
三階の教室に来たスズメバチ職員室は一階にある
いずれにしても,お気楽のように見えて,冷徹な観察眼が感じられる。
どこかに醒めや痛みを感じている「子ども・元子ども」にとって,観察の対象として教師ほど典型的で,見えやすい者はいないのかもしれない。
自虐的な笑いも浮かんだ短歌集であった。