すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

カラフルな傘を見つめる日

2015年03月05日 | 雑記帳
 雨の朝、登校してくる子どもたちの傘を見て、つくづくカラフルになったものだと今さらながら思った。全国チェーンを持つ大型店Iが、24色のランドセルを出してから何年経ったのだろう。それよりは傘はずっと早く、様々な色、模様をもったはずである。高度成長期なのだろうか。自分が小中の時は、黒と赤、せいぜい紺とピンクぐらいだったように思う。


 「男は黒、女は赤」などという時代を懐かしんでいるわけではない。ただ、その変化ってなんだろうと考える。製造や物流の現場をまったく知らずに、こんなことを書くのもおこがましいが、つまりは材料の大量仕入れがあって大量の生産がなされるから、多種類の物品が提供できる。消費者のニーズといいながら、売上を伸ばすために差別化を仕組んでいく。


 用途は同じなのに、色や材質、そしてちょっとしたデザインによって「個性」のようなものが演出され、私達の物欲をくすぐる。また「○○世代」とか「アラ○○」などと名づけられて、そこで「提案」されるのは、生き方のようではあるが、実は購買への意欲づけだったりする。自分も含めて、おそらく40代以上の多くはそういう与えられ方に飼い馴らされた。


 その結果、求めた個性が実現できたかと言えば、甚だ心許ない。そんな不安を解消すべく、また様々な「提案」が今日も巷にあふれ、商品として、それはモノであれコトであれ、私達の目の前に姿を現してくる。目を閉じ、耳を塞いで、内なる声を探りあてよう。飼い馴らされた心を揉みほぐそう…『路地裏の資本主義』を読み始める、めでたくもないが誕生日。