すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

ミノゴナシ旅➀

2016年05月20日 | 雑記帳
 師と仰ぐ野口芳宏先生が著した教育新書のなかに『海外旅行で鍛える』がある。確か40代の頃に研修等で訪問したヨーロッパやソ連のことについて書かれてあった。旅の準備の時点から心構えを作り、訪問する国での見聞を人格形成に生かそうとする、いかにも野口先生らしい一冊で、憧れを感じたことを覚えている。


 現役中は残念ながらそうしたチャンスにも恵まれず、またプライベートでも行く機会をつくれなかった。少し腰が引けていたことを素直に認めよう。しかし、退職時に「未知」をキーワードとして出した自分でもあるので、ここはエイッ!と出かけてみるか、と思い立った。でも近くがいいなあとやはりミノゴナシである。


 台湾を選んだのもさしたる理由はない。近い、日本語も通じそう、中華は結構好き…という程度。まずはパスポート申請をしなければいけない。結構厳密な手続きだなと思う。旅行社で話を聞くと、あれれっこりゃ面倒だなと感じる。文句なく旅行好きを自称できるが、それは「国内限定」と決定的な評価がくだる。


 無難に、全日程フリータイムではなくツアーが組み込まれている内容にする。それはいいが、外貨両替はどの程度か、旅行保険はどうする、携帯は使える形にするか等々、決めることは多い。一つ一つ検討すると、様々な状況を考えなくてはいけない。そこで改めて幸せに感じたのは、多くの責任がない今の身分だ。


 ともあれ旅行当日、朝一番の飛行機で秋田から羽田経由で向かう形である。出国手続きなど言われるままに済ます。少し考えたのは時差のこと。1時間違うということで時計を遅らせようとした時、ふと「オレの人生、1時間無駄になったのかな」などと変な妄想にとらわれる。4日間雨の予報マークの出ている台北へ。