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「次の角」…13年経っても

2017年10月19日 | 教育ノート
 早朝から近くの山に「恵み」をいただきに出かけた帰路、遠くの通学路に登校する子どもたちの姿が見えた。オレンジのトレパン姿である。あっ、マラソン大会だなとすぐわかった。その後はおそらく恒例のなべっこ会。職員は準備やら世話などであれこれ忙しいが、子どもたちにとっては「楽しみ」な一日である。



 ここしばらくマラソン大会では開会式で話をする役目だった。そこでは定番的に「マラソンの起源」と「あきらめない力を試す」ことを話していた。雑誌原稿にも書いたことがあった。以前はどうだっけなあ、とふと思い出したのが「閉会式」での話。覚えているということは何かあると…13年前のメモを見つけ出した。


次の角 10/20/2004――――――――――――――

 校内マラソン大会の閉会式で話をすることになった。
 走りの技術的なことはないだろうし、うーんっと悩んだ末、ずいぶん前の新聞広告?を思い出しながら、話を進めた。
 以下、話したことの一部再現

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(略)

 長い距離を皆さんが考えながら走っていることがわかりました。
 そして、先生はあることを思い出しました。

 この頃、日本ではマラソンというと、女子の選手が活躍していますが、昔はオリンピックでは男子だけの種目でしたし、男子でもメダルをとった人がいます。

 君原健二という人は、ずっと前のメキシコで行われたオリンピックで銀メダルをとりました。

 この人の話が新聞に載っていたことがあって、とても印象深く、今でも覚えていることがあります。

 それは、マラソンの選手は毎日何十キロも走る練習をするわけですが、それだけやっても、毎日「苦しいなあ、いやだなあ」と思うんだそうです。
 そのときにどうするか、ということです。

 街の中を走っていて、そういう苦しい時に「ああ、あそこの角までまずがんばろう」と思うんだそうです。
 そして、その角を曲がったら
「ここまで来たんだ。次はあの角までがんばってみよう」
 そして、また次の角を曲がったら、また次の角まで…そんなふうに、続けていって、練習をやりぬくんだそうです。

 目標は遠くにあるんだけれども、一気にそれを目指すのではなく小刻みに、めあてをもって、それに向かって進んでいく方が大きな力になっていくんだよ、ということです。

 毎日少しずつだけどマラソン練習を続けた人は、それが、きっと貯金のようにたまって、体や心を鍛えたと思います。

 これは運動だけでなく、勉強や学校でのいろいろな活動についても、同じことです。

(以下略)
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 大人でもそうだろうが、次の角が見えないと意欲も減退していく。
 次の角をしっかりと示すことも教育の大切な要素なのだと思う。