先日、秋田市からの帰り道。何気なくつけていたカーラジオから、その曲は流れた…『木綿のハンカチーフ』。言うまでもなく、松本隆作詞、筒美京平作曲の名曲、もはやスタンダードナンバーとも言えるだろう。椎名林檎によるカバーと紹介された。確かずっと前に聴いたことがあるなあと思いつつ、耳を傾けたら…。
軽く衝撃をうけてしまった。椎名林檎(正確には松崎ナオとのデュエット)の声質や歌い方は承知しているつもりで、ああこんな感じと思い聴き始めたら、一番の歌詞がズドンと切れた(間を空けた)アレンジだ。引用するまでもなく有名なので、前後は省略するが、「♪探すつもりだ」と「♪いいえ」の間が、異常に長い。
こ、これは…と思う。曲は周知のとおり男女の掛け合い型だ。原曲はテンポよく、メロディを変えながらの転換になっている。ところが、このカバーアレンジは「間」(10秒程度)を入れた。その意図は…そうだ、女側の「戸惑い」「決意までの思考」を表すのではないか。そのくせ、歌い出したら妙に力強く響かせる。
そしてその「間」も1番のみで2~4番はない。そこに「思いきり」「諦め」の強さがこもるように思えてくる。気になって、帰ってからネットで調べ中古を注文した。2002年「唄ひ手冥利」という2枚組だ。この新解釈アレンジはエンディングに「♪恋人よ」と「♪いいえ」を繰り返しフェイドアウトする。実に恐るべし。
※youtubeにも曲はあるが、何故かPerfumeのプロモーションビデオのBGMになっている。集中できない(笑)