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心のビックベンを誇れ

2017年11月22日 | 雑記帳
 連日のように大相撲力士暴行問題が報道されるが、あまりに量が多すぎると関心が薄れていくのはありがちなことだ。それはさておき、最近のニュースで気に留まった一つに「日本の鉄道会社、定刻より20秒早く出発し謝罪」がある。まあ、謝罪を出した理由は想像がつくし、海外からの声も納得できる記事ではある。



 平田オリザが高校や大学のディスカッション型の授業で、こんな題材を使っているという。「なぜ、日本は高速鉄道の輸出で苦戦するのか?」世界最高の技術といってよい新幹線が、すんなり海外進出に結びつかない理由は、コストや敷設する鉄道の規格の問題が挙げられるが、さらに踏み込めば「弱点」が見えてくる。


 日本以外の営業マンになったつもりでネガティブキャンペーンを張るとして、どう言うだろうかと学生たちへ問いかけるそうである。我が国の誇る安全な技術、正確無比な定時運行能力、そして死亡事故を一度も出していない実績…国民なら誠に誇らしく胸をはって薦められるが、ライバルはこう囁くはずだという。


 「あれは日本人だからできるんですよ」「あまりにも完璧でちょっと気持ち悪くないですか」。いや、時間通りで正確なことがいいに決まっている…そう思うのは、やはり日本人だからこそではないか。ヨーロッパあたりの鉄道でもずいぶんアバウトな発着があることはよく放送されることだ。「文化」の違いの認識である。


 今回、英国のキャスターは次のようにツィートした。「『日本の電車が20秒早く発車で謝罪』。読んだ、泣いた、また読んだ、笑った」…こんなふうに理解されていることを胸に留めよう。しかし阿ることはない。「日本人は皆、心の中にビッグベンを持っているのです」ぐらい言いたい気がする。英語で言えないけど(笑)