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もう誰も言わないズボン下と

2018年02月06日 | 雑記帳


 先週の寒さで思い出したのが「秋田の男子高校生コート問題」。一昨年テレビの情報番組やバラエティで取り上げられたので、覚えている方も多いだろう。自分も「横並びと我慢と消費」と題して書き散らした。この寒さでもそこは変わらないのだろうか。そう言えば、と中学や高校の頃の「ズボン下」のことが浮かぶ。


 70年前後に中高生だった男子はきっと「ズボン下」を履く履かないで葛藤があったのではないか。カッコウつけたいお年頃、年寄りの「モモヒキ」のイメージがあるので、そんなダサいことはしたくないし、家の者からは着るようにいわれるし、実際の温かさは断然違うし…。いつまで履かなかったか、記憶にない。


 先日、糸井重里が「昔の男は、寒い冬にはモモヒキを履いていた。男のこどもも履いていた」と書き出し、昔の暖房状況に触れながらその普通さを語っていた。しかしある「事件」によって履くのを止めた。それは、当時「小悪魔」と呼ばれた加賀まりこの一言であった。「わたし、ハゲとモモヒキ履いてる人が嫌い


 そんな風潮が広まっていった時代、加賀まりこでない身近な小悪魔(笑)もそう思っていたりしたら…と全国各地(特に寒い地方)に伝染したのだろう。むろん現在はヒートテック等の開発によりアンダー〇〇、インナーという呼び名になり、内に着込むにはさほど抵抗ないはず。その有難みは中高年になれば身に染みる。


 年寄じみた話になった。ところで私世代は「ズボン下」または「下ズボン」と呼んでいたが、もはやズボンさえ死語になっている。辞書には「jupon(フランス)」と載っているのにパンツ、スラックスという英米語に凌駕されている。モモヒキもステテコのようにユニクロが言い出せば、一般的な呼称になるか。無理か。