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「裏切りの日」に裏話

2018年06月03日 | 雑記帳
 ぺらぺらと歳時記をめくっていたら、6月2日に「裏切りの日」とあるではないか。なんだこれはと検索すると、かの安土桃山時代の有名なあの日をもとに名づけられたと言う。はあんと思いつつ、あれは裏切りだったのかあ?とか、裏を切るとはどういうこと?と浮かんでくる。「」という字もちょっと面白いぞ!


 「」の意味は簡単そうに思うが、広辞苑では全13項目載っていた。大項目は次の三つ。「表面と反対の隠れている方」「規準と異なるもの」「1対のものの2番目の方」。一般に差別用語的にとらえられている節もあるか。「裏日本」という語も言わなくなったしね。でも「裏町」は何処にでもある。自分も今住んでいる。


 「便所・せっちん」の意味や「遊女を2回目に揚げること」といった隠語的に使われてもいる。いずれ表面に出せない、出さない点が強調されるのか。しかし、文字のでき方は「衣+里」であり、里には筋目のついた田畑を表わしていて、「裏」とはそもそも「しま模様の布地」。つまり布の裏地を示すことが由来だ。


 それは一面で「丈夫」または「複雑」ということも表しているだろう。裏を使った慣用句にもそのことが反映されている。「裏には裏がある」「裏の裏を行く」と、見抜けないモノを見ようとする人間の性を感じさせる。警察や新聞社が「裏を取る」という言い方をする。それはつまり、裏にこそ真実があるという認識だ。


 「」は「うら」とも読むことをご存知か。広辞苑には「(表に見えないものの意)こころ。おもい。」と載っている。その意から「うら悲しい」「うら寂しい」という言葉にもつながる。裏切るとは味方に背くこと、約束を破ること。つまりそれは「心を切る」ことだと、妙に納得できる。「裏話」も心の話だといいなあ。