すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

あちこちのキニナルキ

2018年06月02日 | 読書
Volume104
 「リアルを拾うんだ。想像は負ける。」

 朝ドラ『半分、青い。』で、漫画家秋風羽織が主人公鈴愛へ言ったことば。
 恋愛漫画を描くために、何より経験の大切さを強調する。

 ありふれた考え方でもあるけれど、その精神を維持することはとても大切だ。
 想像の翼を拡げることも必要。しかしリアルの持つ重みはまた別次元だと教えてくれる。



Volume105
 「肌色のクレヨンと言わなくなりましたねえ。アメリカでは24色の肌色のクレヨンが売っているんですよ」

 絵本作家川端誠が、絵本ライブをしているときに言ったことば。
 言われてみればもっともなことだが、いつの間に消えたのか自覚がなかった。
 今は「うすだいだい」「ペールオレンジ」と言うそうである。

 そこに、人種差別の問題があることは確かだろう。
 その根はなかなか無くならない現実がまだある。
 思い込みに縛られないための貴重な一言だ。



Volume106
 「人間は、人が落ちぶれていくのを見たがる生き物である。嘲笑うことで自分を肯定したがる生き物である。」

 新刊本の書評の中にあった、武田砂鉄の言葉。

 この文章を読み、本の内容のことより、連日報道されている、いわゆる不祥事ネタのことが思い起こされた。
 何度も何度も繰り返し報道される、それらの対象人物に対して、私たちはこういった感覚を持っているのではないか。
 それゆえ報道もその事を煽っているという穿った見方もできる。

 もちろん、悪事・不祥事が安易に容認されてはいけないが、その人物に向ける自分自身の目に対しても冷静でありたい。