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授業をレンズと心で覗く

2018年06月12日 | 教育ノート
 教職の仕事を辞してから「授業」をテーマにした研究会には足を運んでいなかったが、久しぶりに先週末仙台で行われた「野口国語継承セミナー」に参加させていただいた。全国からの実践者4名による模擬授業と協議、野口先生による解説、模擬授業、講義等、錆びついた頭にずいぶん潤滑油が利いた一日となった。


 今回は主催、事務局の方々にお願いして、ビデオを撮った。今関わりを持っているワークもあり自分の勉強を兼ねて「授業」を対象にして撮ってみた。改めて感ずるのは授業者の動き、表情には個性・特徴がでるということ。1コマ25分の限られた時間で構成するために、重要視する言動が浮き出てくるともいえる。


 それを「」にするには、言うまでもなく経験の積み重ねが必要だ。その点、今さらながら野口先生は「滋味豊か」であるなあと、レンズを見ててそう思う。いつの場合も「本質・原点」を伝えたいという先生の強い願いが軸に在り、ぶれない。相手がいかなる発言をしても、それを包み込むような展開になっていく。


 その境地にたどり着くのは至難だろう。そこで、平凡な教師が気をつけたいことの一つがこれだと思える言葉を見つけた。「中心視」と「周辺視」。教師の視線は常に動くが、ある対象を意図的に見つつ視野を拡げておく。これは教材解釈にも、授業の実際にも共通することではないか。授業検討、批評にも結び付く。


 参加者は若者からベテランまで多彩だった。特に「宴会文化」を謳う打ち上げは楽しかった。その場にいた平成生まれの教員が憧れると口にした「教育技術」運動の興隆期を知る者も集ったが、旧い歴史ではなく現実として今に続いていることは、野口芳宏先生ご本人がその場にいらっしゃるという事実が証明している。