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ぶらりと北斎の富士へ

2018年06月07日 | 雑記帳
 去年観たNHKの『北斎の娘』は宮崎あおいの好演だった…そんな程度の関心で、終了が間近になってきた「北斎の富士」展示を近代美術館まで観に出かけた。しかし、やはり絵心無き無粋者には正直太刀打ちできなかった。ただ初め「案外小さいんだな」というレベルだったのが「ふむふむ」までは届いた気がする。


 これで江戸時代の営みを知ったなんて言うのはもっての他だが、人物が描かれた作品にはどこか声が聞こえてきそうな気配がする。それは独特の緻密な線が醸し出すのか。ほんの短い時間でも浸っていれば、想像の芽は膨らむ。これらの絵は、富士があるというより富士がいつも見ているように思えてきたのだった。


 誰でも見たことのある「凱風快晴」という有名な絵(赤富士の由来ではないかという説も)があった。こうしたすっきりさは、日本の原風景の一つだと思う。数年前「無電柱化プロジェクト」の下絵としても利用されたようだが、「むしろカッコいい」という感覚は自分なら持てない。あの騒ぎを北斎ならどう感じたか。


 さて、上の階にある常設展示「所蔵・名作セレクション」も少し覗く。小学生の校外学習の一団を横目でみると、最近は施設の教育体制もしっかりしてきたなと感ずる。「やさしい鑑賞シート」という通常の解説が書いてあるプリントとは別に、カード形式の手引きがあり感心した。帰りの通路で記念写真(笑)をパチリ。


(溺れてこの先どうなるという臨場感は…ないか)