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菓子史上最大の発明

2018年11月10日 | 雑記帳
 「まんじゅう」を「万寿」としている某店が本町にはある。縁起のいい当て字にしたものである。もちろん正確には「饅頭」。まあ、ほとんどの人はひらがなを使っている。しかし、この二文字の熟語を見るとなかなかに考えさせられるし、また疑問もわいてくる。調べミニメモです。


道の駅うごの第二回まんじゅう博覧会で、久々にお目にかかった10円まんじゅう)


 まず「」という字。「食+曼」であり、曼が「上にまるくかぶさる」の意味を持つので、「小麦粉・そば粉などを練って皮とし、中に餡を包んで蒸し上げた菓子」にぴたりと当てはまるだろう。言ってみれば「饅」だけで通じ、「肉まん」「餡まん」は略語だろうが正確に存在を表している。


 「」である。「じゅう」という読み方は、どの辞書にも「唐音」とあり、そもそも漢語で「まんとう」と言うことは知られている。問題なのは、なぜ「頭」が付けられているか。饅頭の形は丸型が多いので、人の頭を模したからか、と考える人は多いだろう。…その通りなのだが…。


 何やら深い訳があるようだ。「語源由来辞典」が一番コンパクトにまとめられていた。川の氾濫を鎮めるために「人間の頭49人分」を供える風習を打ち破るために、天才諸葛孔明があみ出した策だったわけである。偉いぞ!孔明。饅頭には「大地を治める力」があると信じられていた。


 最初の餡は羊や豚肉であり「蛮頭」(ばんとう)と呼ばれていた。徐々に拡がり多様な種類の総称となったが、神聖なものであることは、葬式やお祝い事に利用されていることからも納得できるはず。数えきれないバリエーションを思うと、菓子史上最大の発明と言えるかもしれない。