社会保険労務士の「社会保険」とはどのような意味でしょうか?
勤労者が病気・失業・老齢などで生活困難に陥りそうな場合、その生活を保障
するために設けられた保険制度で、費用は政府・事業主・勤労者の三者が負担
するもの、とされています。
今回は「労働保険」も含め、この費用の部分の「保険料」の負担について
取り上げてみたいと思います。
まず、「健康保険」ですが、被保険者及び被保険者を使用する事業主でそれぞれ
保険料額の2分の1を負担します。
一方で保険料の納付義務は、事業主にあります。
ただし、加入期間等一定の要件を満たした者が(主に退職等により)被保険者
資格を喪失した場合に希望をすれば引き続き加入していた健康保険制度の被保険者
となることのできる「任意継続被保険者」という制度がありますが、この場合は
あくまで被保険者側の希望による加入であることから、全て任意継続被保険者の
負担となり、その納付義務を負います。
保険料額は、各被保険者の標準報酬月額(報酬に応じて5.8万円~121万円まで
47等級の額が設定されている)と標準賞与額にそれぞれ一般保険料率(政府管掌
保険であれば1000分の82、健康保険組合であれば1000分の30~1000分の100
の範囲)を乗じた額となります。
ただし、40歳以上65歳未満の医療保険加入者は介護保険第2号被保険者となる
ことから、介護保険料率(1000分の12.3)が加わります。
次に「厚生年金保険」ですが、健康保険と同じく被保険者及び被保険者を使用する
事業主でそれぞれ保険料額の2分の1を負担します。これも同じく、保険料の納付
義務は事業主にあります(第四種被保険者等を除いて)。保険料額は健康保険と
同じく標準報酬月額及び標準賞与額に保険料率(平成19年9月~20年8月までは
1000分の149.96。平成29年8月まで毎年引き上げられ、最終的には1000分の
183となる予定)を乗じた額となります。
なお、標準報酬月額の各等級区分は健康保険と同じであるものの、1級9.8万円
から30級62万円までの間での設定となっています。実務上は、所管が同じく
社会保険庁であり標準報酬月額も一部共通であることから、両者の資格の得喪・
標準報酬月額の変更等の届出は同一の届出で済む仕組みとなっています。
続いて「労働保険」も見てみましょう。「労災保険」「雇用保険」の保険料に係る
条項は「労働保険料徴収法」に規定されています(各科目のテキストを開いても
載ってない訳ですね)。
まず「労災保険」ですが、保険料は全て事業主が負担します。
労働基準法75条で労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合において
使用者は療養の費用を負担しなければならない、と規定されているのですが、
この負担に備えて発足したのが「労災保険」制度だからなのです。
保険料の額については使用する全ての労働者に支払う賃金の総額に「保険料率」を
乗じた額となります。
この率は労災発生頻度に応じて業種毎に異なった設定がなされており、
例えば一般の事務オフィス(その他の各種事業)では最低の1000の4.5、水力発電
施設・ずい道等新設事業では最高の1000の118とされています。
なお、各事業の保険料率には通勤災害の発生率・二次健康診断等給付の費用として、
1000分の0.8の「非業務災害率」が一律含まれています。
一方、「雇用保険」の一般保険料にかかる保険料については、一般の事業、農林
水産業・清酒製造業、建設の事業によって3種類の率が定められています(一般
の事業は1000分の15、農林水産業・清酒製造業は1000分の17、建設の事業は
1000分の18)。
この中には、雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)に係る率(事業に
よって1000分の3又は1000分の4)が含まれています。
使用者は使用する全ての労働者に支払う賃金の総額に「一般保険料に係る率
(失業等給付に係る率)」を乗じた額の2分の1及び「雇用保険二事業率」を乗じた
ものの合計を負担することになります。
これに対し、被保険者は「一般保険料に係る率(失業等給付に係る率)」を乗じた額
の2分の1のみとなります(雇用保険二事業率に関する分は負担しません)。
各項目ともごく基本的な内容ですが、横並びにしてみるとどうだったっけ?と
不安になる方も多いはずです(私もその一人でした)。
ある程度学習が進みましたら、同じ項目については他の科目のそれと見比べる
機会をぜひ作って理解を深めるようにしてみて下さいね。
勤労者が病気・失業・老齢などで生活困難に陥りそうな場合、その生活を保障
するために設けられた保険制度で、費用は政府・事業主・勤労者の三者が負担
するもの、とされています。
今回は「労働保険」も含め、この費用の部分の「保険料」の負担について
取り上げてみたいと思います。
まず、「健康保険」ですが、被保険者及び被保険者を使用する事業主でそれぞれ
保険料額の2分の1を負担します。
一方で保険料の納付義務は、事業主にあります。
ただし、加入期間等一定の要件を満たした者が(主に退職等により)被保険者
資格を喪失した場合に希望をすれば引き続き加入していた健康保険制度の被保険者
となることのできる「任意継続被保険者」という制度がありますが、この場合は
あくまで被保険者側の希望による加入であることから、全て任意継続被保険者の
負担となり、その納付義務を負います。
保険料額は、各被保険者の標準報酬月額(報酬に応じて5.8万円~121万円まで
47等級の額が設定されている)と標準賞与額にそれぞれ一般保険料率(政府管掌
保険であれば1000分の82、健康保険組合であれば1000分の30~1000分の100
の範囲)を乗じた額となります。
ただし、40歳以上65歳未満の医療保険加入者は介護保険第2号被保険者となる
ことから、介護保険料率(1000分の12.3)が加わります。
次に「厚生年金保険」ですが、健康保険と同じく被保険者及び被保険者を使用する
事業主でそれぞれ保険料額の2分の1を負担します。これも同じく、保険料の納付
義務は事業主にあります(第四種被保険者等を除いて)。保険料額は健康保険と
同じく標準報酬月額及び標準賞与額に保険料率(平成19年9月~20年8月までは
1000分の149.96。平成29年8月まで毎年引き上げられ、最終的には1000分の
183となる予定)を乗じた額となります。
なお、標準報酬月額の各等級区分は健康保険と同じであるものの、1級9.8万円
から30級62万円までの間での設定となっています。実務上は、所管が同じく
社会保険庁であり標準報酬月額も一部共通であることから、両者の資格の得喪・
標準報酬月額の変更等の届出は同一の届出で済む仕組みとなっています。
続いて「労働保険」も見てみましょう。「労災保険」「雇用保険」の保険料に係る
条項は「労働保険料徴収法」に規定されています(各科目のテキストを開いても
載ってない訳ですね)。
まず「労災保険」ですが、保険料は全て事業主が負担します。
労働基準法75条で労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合において
使用者は療養の費用を負担しなければならない、と規定されているのですが、
この負担に備えて発足したのが「労災保険」制度だからなのです。
保険料の額については使用する全ての労働者に支払う賃金の総額に「保険料率」を
乗じた額となります。
この率は労災発生頻度に応じて業種毎に異なった設定がなされており、
例えば一般の事務オフィス(その他の各種事業)では最低の1000の4.5、水力発電
施設・ずい道等新設事業では最高の1000の118とされています。
なお、各事業の保険料率には通勤災害の発生率・二次健康診断等給付の費用として、
1000分の0.8の「非業務災害率」が一律含まれています。
一方、「雇用保険」の一般保険料にかかる保険料については、一般の事業、農林
水産業・清酒製造業、建設の事業によって3種類の率が定められています(一般
の事業は1000分の15、農林水産業・清酒製造業は1000分の17、建設の事業は
1000分の18)。
この中には、雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)に係る率(事業に
よって1000分の3又は1000分の4)が含まれています。
使用者は使用する全ての労働者に支払う賃金の総額に「一般保険料に係る率
(失業等給付に係る率)」を乗じた額の2分の1及び「雇用保険二事業率」を乗じた
ものの合計を負担することになります。
これに対し、被保険者は「一般保険料に係る率(失業等給付に係る率)」を乗じた額
の2分の1のみとなります(雇用保険二事業率に関する分は負担しません)。
各項目ともごく基本的な内容ですが、横並びにしてみるとどうだったっけ?と
不安になる方も多いはずです(私もその一人でした)。
ある程度学習が進みましたら、同じ項目については他の科目のそれと見比べる
機会をぜひ作って理解を深めるようにしてみて下さいね。