今回は、「企業規模別にみた賃金」についてです。
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企業規模別に賃金をみると、男性では、大企業が380.3千円(前年比1.7%
減)、中企業が323.2千円(同0.5%増)、小企業が297.1千円(同1.7%
増)、女性では、大企業が270.9千円(同0.1%増)、中企業が248.1千円
(同1.5%増)、小企業が228.7千円(同2.2%増)となっており、男性は
中企業及び小企業で、女性は全ての企業規模で前年を上回っている。
企業規模間賃金格差(大企業=100)は、男性で、中企業85.0(前年83.1)、
小企業78.1(同75.5)、女性で、中企業91.6(同90.3)、小企業84.4(同
82.6)となっている。
企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きいほど賃金
カーブの傾きは大きくなっており、男性は女性に比べてその傾向が大きい。
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企業規模別に賃金については、大企業のほうが中小企業より高いということは
わかるでしょう。
では、どれくらい格差があるのかといえば大企業と比べて中小企業は80%から
90%程度となっています。
また、賃金カーブについては、大企業のほうが賃金が高くなるので、やはり企業
規模が大きいほど賃金カーブの傾きは大きくなります。
この点について、次の出題があります。
【 23-3-D 】
賃金カーブの企業規模間格差は、1990年以降、拡大する傾向にある。それは、
大企業が経営合理化によって生産性を向上させ、支払能力が高まったのに対し
て、中小企業では大企業ほど生産性が上がらなかったためである。
この問題は、「平成22年版労働経済白書(厚生労働省)」からの出題のため
調査結果だけではなく、その分析についても加えた内容ですが、「拡大する
傾向にある」というのが誤りでした。
白書では「1990年以降、概ね格差縮小の方向に進んでいる」としています。
「賃金構造基本統計調査」では、このような分析まではしていないので、
まずは、企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きい
ほど賃金カーブの傾きは大きくなっているということを知っておきましょう。