今回は、令和4年-徴収法〔雇保〕問9-B「増加概算保険料の申告・納期限」
です。
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事業主は、労災保険に係る保険関係のみが成立している事業について、保険
年度又は事業期間の中途に、労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立して
いる事業に該当するに至ったため、当該事業に係る一般保険料率が変更した
場合、労働保険徴収法施行規則に定める要件に該当するときは、一般保険料率
が変更された日の翌日から起算して30日以内に、変更後の一般保険料率に
基づく労働保険料の額と既に納付した労働保険料の額との差額を納付しなけ
ればならない。
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「増加概算保険料の申告・納期限」に関する問題です。
次の問題をみてください。
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【 H23-労災8-A 】
継続事業の事業主は、労働者数の増加等により、概算保険料の算定に用いる
賃金総額の見込額が、既に納付した概算保険料の算定基礎とした賃金総額の
見込額に比べて増加することとなり、増加概算保険料の納付の要件に該当する
に至った場合は、当該賃金総額の増加が見込まれた日から30日以内に増加
概算保険料の申告・納付を行なわなければならないが、有期事業の事業主の
場合であっても、申告・納付の期限は同じである。
【 H18-雇保8-B 】
継続事業における事業主は、その使用するすべての労働者に係る賃金総額の
見込額が一定以上に増加した場合等増加概算保険料の納付の要件に該当した
日から30日以内に増加概算保険料の申告・納付を行わなければならないが、
有期事業である場合の納付期限は増加概算保険料の納付の要件に該当した
日から50日以内である。
【 H16-雇保9-A 】
概算保険料について、当該保険年度末又は事業終了時までの間に賃金総額
の見込額が2倍を超えて増加することが見込まれる場合で、かつ、その増加
額が当該概算保険料との額の差額が13万円以上である場合には、継続事業
であるか有期事業であるかにかかわらず、当該賃金総額の増加が見込まれた
日の翌日から起算して30日以内に申告・納付を行わなければならない。
【 H14-労災9-A 】
事業主は、増加後の保険料算定基礎額の見込額が増加前の保険料算定基礎
額の見込額の100分の200を超え、かつ、増加後の保険料算定基礎額の
見込額に基づき算定した概算保険料の額との差額が13万円以上であるとき
は、その日から30日以内に、増加後の見込額に基づく労働保険料の額と
納付した労働保険料の額との差額を所定の申告書に添えて納付しなければ
ならない。
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「増加概算保険料の申告・納期限」を論点にした問題です。
増加概算保険料の申告・納期限は、要件に該当した日から「30日以内」です。
継続事業、有期事業どちらについても、同じです。
ただ、継続事業と有期事業では、扱いが異なるものがあります。
例えば、
保険関係が成立した際の概算保険料の申告・納期限は、異なっています。
この違いとか、よく論点にされますが・・・
「同じ」という点も論点にされます。
同じなのに、違ったように出題してきて、「誤り」にするというように。
そこで、増加概算保険料の申告・納期限について、
【 H23-労災8-A 】では、
「有期事業の事業主の場合であっても、申告・納付の期限は同じである」
とあり、正しいです。
【 H16-雇保9-A 】では、
「継続事業であるか有期事業であるかにかかわらず」とあります。
ですので、やはり正しいです。
【 H18-雇保8-B 】では、継続事業と有期事業とで期限が違っています。
誤りです。
それと、【 H14-労災9-A 】ですが、この問題では、継続事業なのか、
有期事業なのかに関する記述がありません。
【 R4-雇保9-B 】では、「保険年度又は事業期間の中途」とあります。
そのため、どちらも「30日以内」なのかというように考える必要があります
が、正しいです。
ということで、
継続事業と有期事業を同じように扱う場合、異なった扱いをする場合、これら
は、整理しておきましょう。