今回は、「企業規模別にみた賃金」についてです。
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企業規模別に賃金をみると、男女計では、大企業348.3千円、中企業303.0千円、
小企業284.5千円となっている。
男女別にみると、男性では、大企業386.6千円、中企業331.2千円、小企業
308.1千円、女性では、大企業278.2千円、中企業257.0千円、小企業241.3
千円となっている。
企業規模間賃金格差(大企業=100)は、男性で、中企業85.7、小企業79.7、
女性で、中企業92.4、小企業86.7となっている。
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企業規模別の賃金については、大企業のほうが中小企業より高いということは
わかるでしょう。
では、どれくらい格差があるのかといえば、男性の方が格差が大きく、大企業と
比べて中小企業は80から90程度となっています。
女性は、90前後となっていて、格差が小さいです。
この点について、次の出題があります。
【 H23-3-D 】
賃金カーブの企業規模間格差は、1990年以降、拡大する傾向にある。それは、
大企業が経営合理化によって生産性を向上させ、支払能力が高まったのに対し
て、中小企業では大企業ほど生産性が上がらなかったためである。
この問題は、「平成22年版労働経済白書(厚生労働省)」からの出題のため
調査結果だけではなく、その分析についても加えた内容ですが、「拡大する
傾向にある」というのが誤りでした。
白書では「1990年以降、概ね格差縮小の方向に進んでいる」とし、その上で、
「今まで相対的に長かった大企業の勤続年数が低下し、中小企業との差が
縮まったことが、賃金カーブの企業規模間格差の縮小につながっていると考え
られる」としています。
「賃金構造基本統計調査」では、このような分析まではしていないので、
まずは、企業規模別に賃金カーブをみると、男女いずれも企業規模が大きい
ほど賃金カーブの傾きは大きくなっている、そして女性より男性の方が大きく
なっているということを知っておきましょう。