和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

広告を読む人。

2007-05-11 | 朝日新聞
2007年5月10日の産経・読売新聞を読みました。産経新聞は二面の総合ページの真ん中に普通の見出しで書かれておりました。その見出しの言葉は「朝日新聞社など提訴」とあり横に「首相秘書ら 記事・広告で名誉棄損」とあります。本文の最後には、こんな箇所。
「安倍事務所は9日、『根拠が薄弱な記事でも、安倍首相に関することなら躊躇なく掲載するという判断が朝日新聞社内でまかり通っている事実に、極めて執拗な悪意と恐ろしさを感じる』とのコメントを発表。・・・」

つぎに、「読売新聞」を見てみますと、こちらは第二社会面の記事のほぼ半分を使っており、見出しが「週刊朝日広告巡り提訴」とあり、横に「首相秘書ら 過激表現で『名誉棄損』」。読売は社説にも取り上げております。社説の見出しはというと、「新聞広告、中吊りも同罪では」。読売新聞が打ち出している解釈は「最近は、広告だけを読む人が多いことを踏まえ、広告の見出しそのものの違法性を指摘する判決が相次いでいる」という視点で一貫しております。
そして、読売新聞は電車の「週刊朝日」中吊り広告の文句をキチンと写し、
注意すべき点を提示しております。その箇所。
「問題の広告が一部新聞に掲載されたのは射殺事件から一週間後の4月24日で、『射殺犯と安倍首相の「関係」』という大きな見出しが躍った。同じ日、JRや私鉄各線の車内にも『城尾容疑者所属の山口組系水心会と安倍首相の「関係」を警察庁幹部が激白』という中づり広告が出された。しかし週刊朝日の記事は、安倍首相の秘書が暴力団などから脅され、そこに射殺事件の容疑者の所属団体が関与していたという関係者の証言を報じたもので、広告から受ける印象とは内容が大きく異なる」
読売社説には「週刊朝日の発行直後から、首相の憤りは激しかった。『でっち上げ、捏造(ねつぞう)だ』『いわば言論によるテロ。これは報道ではなく(新聞社の)政治運動だ』」としており、
第二社会面では、公設秘書らが朝日新聞社などを提訴したことについて安倍首相の言葉を載せております「言論による暴力は許せない。全く事実無根の捏造だ。私の秘書にも人権はあるし、家族もいる。全く関係のない暴力団とあたかも関係があったかのように報じられているが、全くの事実無根で私は捏造だと思っている。本人も許せないと思うが、私も許せないと思っている」。

産経新聞にもどると、週刊朝日5月18日号の「おわび記事」の言い回しを引用しております。「当核記事は、首相の元秘書が市長銃撃事件の容疑者が所属する暴力団の組織の幹部などから脅かされていたという証言を取材によって検証したものです」(5月18日号週刊朝日)などとするおわび記事を掲載したのだそうです。これが「週刊朝日」の、編集スタッフが作成したボヤかしの文章表現力。ここに「悪意」が常態化した恐ろしさの表現になっております。こうしてボヤかす技術に実力を発揮する朝日。提訴した理由の「極めて執拗な悪意と恐ろしさを感じる』とのコメントを発表」という言葉がうなずけます。こういう悪意を、ていねいに白日のもとにさらけ出す時期がきたということでしょう。

その「おわび」の文面についても訴状は、とりあげている。
「全く事実に反する誤った印象を再び強く読者に与え、原告の社会的評価を著しく低下させた」と指摘している。

ここで、朝日新聞を読んでみたいのですが、古新聞が来るまでの楽しみにしておきます。私の予測はというと、週刊朝日の「おわび」として前回朝日新聞はベタ記事でとりあげております。これで、アリバイ記事は終り。それ以後の経過は掲載しない。という推理がなりたちそうな気がします。

読売新聞の5月10日社説の最初の方には、そういえば、こんな言葉があったのです。
「一国の総理の側と全国紙のトラブルが裁判沙汰に発展した。なぜ、こんな空前の事態に至ったのだろうか。」
「広告だけを読む人」を手玉に取った確信犯・朝日新聞の捏造の実体が、一日もはやく一般常識として浸透してゆけばと願うのでした。この一連の流れを、「空前の事態」と指摘して、読売新聞は社説で注目したのでしょう。さらに、注目していきたいのは、これからであります。
コメント
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