和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

地震ぎらい。

2008-09-01 | 地震
関東大震災は、大正12(1923)年9月1日におこりました。
いまから、85年前。ということは、現在90歳の方が、
当時5歳の時に関東大震災を体験しているということになります。
その震災体験はどのように現在に伝わっているかどうか?

ところで、半七捕物帳で知られる岡本綺堂の話。
綺堂は、明治5(1872)年に高輪泉岳寺のほとりに生まれた。とあります。
その綺堂が関東大震災の体験を書いた「震災の記」は、こう始まります。

「なんだか頭がまだほんとうに落ちつかないので、まとまったことは書けそうもない。去年七十七歳で死んだわたしの母は、十歳(とお)の年に日本橋で安政の大地震に出逢ったそうで、子供の時からたびたびそのおそろしい昔話を聞かされた。それが幼い頭にしみ込んだせいか、わたしは今でも人一倍の地震ぎらいで、地震と風、この二つを最も恐れている。風の強く吹く日には仕事が出来ない。少し強い地震があると、又そのあとにゆり返しが来はしないかという予覚におびやかされて、やはりどうも落ち着いていられない。・・・・」(「綺堂むかし語り」旺文社文庫)

うん。地震好きというのは、いないでしょうが。
地震ぎらいというのは、どこか体験に根ざしているのでしょうね。
それが幼い頭にしみ込んでいたという「おそろしい昔話」とは、
何とも聞かされる方はリアルだったことでしょうね。

コメント
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