和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

こほろぎ忌。

2008-09-12 | 詩歌
「菜の花忌」といえば、司馬遼太郎の命日(2月12日)をいいますね。
ここ数年、わたしはコオロギが鳴く頃になると思い浮かべる詩があります。
それは詩人田村隆一をうたった追悼詩。
毎年、身近でコオロギがわずらわしいほど鳴く頃になると、
自然と、思い浮かぶ追悼詩なのです。
こう毎年思い浮かぶならば、いっそ今日から、
田村隆一の追悼日を「こほろぎ忌」と、私は命名いたします。
こういうのは、早い者勝ちですからね。
田村隆一が亡くなったのは1998年8月26日。
そういえば、今年我が家にコオロギが訪れたのは8月10日でした。
毎回、まずゴキブリかと間違えます。クモでもない。
なあんだ、コオロギか。という気持ちで訪問を受けいれる。というわけです。

おっと。話がそれました。
追悼詩は大岡信。題は「こほろぎ降る中で  追悼 田村隆一」。
この詩がいいのは、いちいち田村隆一の詩を思い出さなくてもよいことです。
まあ、そんなことはいいですね。
では、最初と、それから肝心な箇所とをピックアップして引用。

 田村さん 隆一さん
 あんなに熾(さか)んだつた猿滑りの花の
 鮮かなくれなゐも 薄れてしまつた
 蝉時雨に包まれてあんたが死んだ1998年も
 たちまち秋に沈んでゆく

 ・・・・・・・
 ・・・・・・・
 ・・・・・・・

 田村さん 隆一さん あんたが
 好き嫌ひともはつきり語つた二十世紀も了る
 こほろぎがばかに多い都会の荒地を
 寝巻の上へインバネス羽織つただけのすつてんてん
 あんたはゆつくり 哄笑しながら歩み去る

 ・・・・・・・
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奇妙な参議院。

2008-09-12 | Weblog
古新聞からの引用をしてみます。
読売新聞2008年2月17日の一面「地球を読む」は岡崎久彦氏でした。
そこに、
「・・・今の事態は、占領時代の憲法制定に際して、米側は一院制を主張し、日本側はチェック機能のある任命制の上院を主張して米側も一たん同意したが、今度は極東委員会のソ連などがその民選を主張し、結果として、衆議院と重複する強い権限を持ちながら、6年任期で、政府側には解散権がないという、奇妙な現在の参議院を作ってしまって以来内在する問題が、参院選の自民党惨敗のために顕在化したものであり、短期間で解決できるものではない。
憲法改正すれば良いと言っても通常の法律さえロクに通らない現状では容易に改正できない。政党人の意識改革で国家の重要な事項については超党派の合意ができれば良いが、テロ特措法の審議状況から見ればそれも望めない。・・・・」

この岡崎氏の文が掲載されてから、半年たちました。
この「奇妙な現在の衆議院」を長期間で解決する方法とは?
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