「菜の花忌」といえば、司馬遼太郎の命日(2月12日)をいいますね。
ここ数年、わたしはコオロギが鳴く頃になると思い浮かべる詩があります。
それは詩人田村隆一をうたった追悼詩。
毎年、身近でコオロギがわずらわしいほど鳴く頃になると、
自然と、思い浮かぶ追悼詩なのです。
こう毎年思い浮かぶならば、いっそ今日から、
田村隆一の追悼日を「こほろぎ忌」と、私は命名いたします。
こういうのは、早い者勝ちですからね。
田村隆一が亡くなったのは1998年8月26日。
そういえば、今年我が家にコオロギが訪れたのは8月10日でした。
毎回、まずゴキブリかと間違えます。クモでもない。
なあんだ、コオロギか。という気持ちで訪問を受けいれる。というわけです。
おっと。話がそれました。
追悼詩は大岡信。題は「こほろぎ降る中で 追悼 田村隆一」。
この詩がいいのは、いちいち田村隆一の詩を思い出さなくてもよいことです。
まあ、そんなことはいいですね。
では、最初と、それから肝心な箇所とをピックアップして引用。
田村さん 隆一さん
あんなに熾(さか)んだつた猿滑りの花の
鮮かなくれなゐも 薄れてしまつた
蝉時雨に包まれてあんたが死んだ1998年も
たちまち秋に沈んでゆく
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
田村さん 隆一さん あんたが
好き嫌ひともはつきり語つた二十世紀も了る
こほろぎがばかに多い都会の荒地を
寝巻の上へインバネス羽織つただけのすつてんてん
あんたはゆつくり 哄笑しながら歩み去る
・・・・・・・
ここ数年、わたしはコオロギが鳴く頃になると思い浮かべる詩があります。
それは詩人田村隆一をうたった追悼詩。
毎年、身近でコオロギがわずらわしいほど鳴く頃になると、
自然と、思い浮かぶ追悼詩なのです。
こう毎年思い浮かぶならば、いっそ今日から、
田村隆一の追悼日を「こほろぎ忌」と、私は命名いたします。
こういうのは、早い者勝ちですからね。
田村隆一が亡くなったのは1998年8月26日。
そういえば、今年我が家にコオロギが訪れたのは8月10日でした。
毎回、まずゴキブリかと間違えます。クモでもない。
なあんだ、コオロギか。という気持ちで訪問を受けいれる。というわけです。
おっと。話がそれました。
追悼詩は大岡信。題は「こほろぎ降る中で 追悼 田村隆一」。
この詩がいいのは、いちいち田村隆一の詩を思い出さなくてもよいことです。
まあ、そんなことはいいですね。
では、最初と、それから肝心な箇所とをピックアップして引用。
田村さん 隆一さん
あんなに熾(さか)んだつた猿滑りの花の
鮮かなくれなゐも 薄れてしまつた
蝉時雨に包まれてあんたが死んだ1998年も
たちまち秋に沈んでゆく
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
田村さん 隆一さん あんたが
好き嫌ひともはつきり語つた二十世紀も了る
こほろぎがばかに多い都会の荒地を
寝巻の上へインバネス羽織つただけのすつてんてん
あんたはゆつくり 哄笑しながら歩み去る
・・・・・・・