和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

処方箋。

2012-11-28 | 短文紹介
産経新聞11月27日の一面「朝の詩」。
ふだん読まないのですが、たまたま目にはいりました。
それを引用。


   効能
       神奈川県逗子市 中原かおり(53)

 言葉は
 時に
 鎮痛剤より強烈で
 便秘薬よりスッキリし
 胃薬より 壮快で
 かゆみも 緩和され

 しかも
 自分で使用した時より
 他人に もらった時に
 さらに
 効果倍増
 一回の投与で
 元気回復の場合もある


うん。思い浮かぶのは
E・ケストナーの「人生処方詩集」(ちくま文庫)の序文。

「・・・淋しいとか、失望とか、そういう心の悩みをやわらげるにはほかの薬剤が必要である。そのうちの二三を挙げるなら、ユーモア、憤怒、無関心、皮肉、瞑想、それから誇張だ。これらは解毒剤である。ところで、どんな医者がそれを処方してくれるだろう?どんな薬剤師がそれを瓶に入れてくれるか?この本はプライベートな生活の治療に捧げられたものである。・・・」

文庫の帯には
「皇后陛下美智子さまご紹介の詩『絶望第一号』収録・・・『子供時代の読書の思い出』で触れられました。」とあります。


うん。そういえば、絶望第一号という詩は、テレビ番組「はじめてのお使い」で、お金を落としてしまったような詩なのでした。
コメント
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