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和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

詩のわかれ。

2013-06-03 | 詩歌
「新編柳田國男集」(筑摩書房)。その第一巻解説は岡谷公二氏。
解説のはじまりは

「柳田國男が二十代の前半、すぐれた新体詩人だったことはよく知られている。しかし後年の彼は、自分の新体詩を嫌悪し、周囲の強いすすめにもかかわらず、『定本柳田國男集』に新体詩を収録するのを、断固として許さなかった。それゆえ読者は、その存在を知りながら、これまでまとまった形で彼の新体詩を読むことができなかったのである。」

その新体詩が、「新編柳田國男集」の第一巻には収録されております。
そこから、一箇所引用。

  はかなきわかれ

 恋のねがひぞはてもなき、
 ただ一目とは思ひしが
 君があたりに居りそめて
 十日もすでに過にけり、
 今はかひなし別れむと
 いかなる事か障(さは)りけん、
 影だに君が見えざりき、

 さらばこのまま別れてん、
 過し日ごろのうれしさも
 今のわかれの苦しさも
 唯ひと言も告げかねて
 なきてや我は旅立たん、
 たえぬねがひを抱きつつ、

 我が恋やむは何時ならん、
 ・・・・・・・・・


うん。まさに、この別れから、民俗学の方へと踏みこむ始まりの唄に聞えてきたりします。
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