注文してあった新刊が今日届いている。
山口仲美著「日本語が消滅する」(幻冬社新書)。
「あとがき」から、この箇所を引用してはじめます。
「・・私は、その後大腸がんを患い手術。
それから4年後には今度は膵臓がんになってしまい、手術。
ようやく健康を取り戻しつつあった時、それまでの自分の
日本語学関連の研究をまとめておく必要を感じ・・刊行しました。
刊行し終わっても、まだ寿命が残っているようでした。
せっかく生かしていただいているのだから、
ずっと気になっていた日本語の危機についてきちんと考えてみよう。
・・・ 」(p280)
ちなみに、山口仲美さんは1943年生まれ。
こうして、新刊を手にできるありがたさ。
え~い。ここはいっきに、この新書の
本文最後の箇所を引用しておくことに。
「 最後に、私の心に残り続けるジョン・グーレさんの詩の
一部を引用して結びにしたいと思います。
死にゆく言葉はそっと崩れ落ちる
あの村でもこの村でも
静かに倒れていく――叫ぶこともなく
泣きわめくこともない
さらりと、ふいにいなくなる
鋭い目を持たなければ
その静かな破滅に気づかない
そしてつつましく、決意に満ちた心がなければ
それを止めることはできない
鋭い目を持たなければ、世界言語から見ると、
一地方語にすぎない日本語に静かに忍び寄る破滅に気づかないのです。
それを未然に防ぐのは、つつましく決意に満ちた日本人の心なのです。」
( p277~278 )