「日本のわらべ歌全集」の本の帯の文を引用。
「 わらべ歌はいつでもどこでも変わる。
アメーバーのように歌詞もメロディーも変わる。
だからわらべ歌の記録は山のように必要だ。
この全集はそれにこたえる大きな山になるだろう。 」
( 小島美子・日本音楽史 歴史民俗博教授 )
ということで、ふたつの手まり歌を並べて引用しておくことに
『 一番最初に一の宮 』( 赤穂市坂越 )
『 一番始めは 』 ( 東金市宿 )
一番最初に一の宮 二で日光東照宮
三で讃岐の金毘羅さん 四で信濃の善光寺
五つ出雲の大社(おおやしろ) 六つ村々地蔵さん
七つ成田の不動さん 八つ八幡の八幡さん
九つ高野の弘法さん 十で所の氏神さん
・・・・・
一番始めは一の宮 二は日光の東照宮
三は佐倉の宗吾(そうご)さま 四はまた信濃の善光寺
五つは出雲の大社 六つは村々鎮守さま
七つは成田の不動さま 八つは八幡の八幡宮
九つ高野の弘法さま 十は東京二重橋
ちなみに、帯にはもう一人の言葉もありました。
「 全曲に楽譜のついたわらべ歌の全集が出るとは有難い。
監修の浅野(健二)さんは、『わらべうた』の編集で
定評のある方、あのような行き届いた解説が期待できる
とはまことに学界の大慶事である。 」
( 金田一晴彦 言語学・歌謡学者 )
赤穂市坂越で採集した「一番最初に一の宮」の歌詞のあとには
こうありました。
「 曲はフランス人ルルー作曲の『抜刀隊』から借りたもので、
全国的にうたわれてきた。所によってはお手玉歌として遊ばれる。
うたい替えが多く、類歌はその一例。 」
( p72 「日本わらべ歌全集18上」兵庫のわらべ歌 )
はい。本をひろげていると、愛読者カードの葉書がはさまっております。
差出有効期限昭和64年4月30日までとあり、受取人の住所は京都でした。
京都市西京区川島北裏町74
柳原書店 資料係行