注文してあった文化庁編の
「親から子、子から孫へ 親子で歌いつごう日本の歌百選」
(東京書籍・平成19年)が届く。
古本ながら、ひらけば読んだ形跡なし。
手にしていたら、黒澤明が浮びました。
黒澤明著「蝦蟇の油」(岩波書店・1984年)。
黒澤明著「まあだだよ」(徳間書店・1993年)。
「まあだだよ」は、絵コンテとシナリオ。
はじまりに、内田百閒について黒澤明の語り。
シナリオのなかで主人公が、こう語ってます。
昔の唄はいいね・・・
アンリィ・ルッソウの絵みたいに
無邪気で・・素直で・・・
私は、昔の唄が大好きだ! ( p84 )
「蝦蟇の油」からも、引用しておきます。
「 明治の香り
大正初期、私の小学校時代には、まだ明治の香りがただよっていた。
小学校の唱歌も、明るく爽やかなものばかりだった。
『日本海海戦』や『水師営』の唄は、今でも私は好きである。
節もカラリとしているし、歌詞も平明で、驚くほど率直に、
しかも的確忠実にその出来事を叙述して、
よけいな感情を押しつけていない。
後日、私は助監督達にこれこそコンチュニティ(撮影台本)の模範だ、
この歌詞の叙述からよく学べ、と云ったが、今でもそう思っている。
今、ざっと思い出しても、この二つの他に当時の唱歌には、
次のようないいものがあった。
『赤十字』 『海』 『若葉』 『故郷』
『隅田川』 『箱根山』 『鯉のぼり』 等々。
アメリカの著名な楽団『ワン・ハンドレッド・ワン・ストリングス』も、
この中から『海』『隅田川』『鯉のぼり』を取り上げて演奏しているが、
その演奏を聞いても、その唄の、のびやかな美しさに傾倒し、
それを選んだことがよくわかる。・・・・ 」(p66・単行本)
さてっと、
「親から子、子から孫へ 親子で歌いつごう日本の歌百選」は、
2007年に出版されたものです。
「親子で歌いつごう 日本の歌百選」の応募を
平成18年9月5日~11月17日までの期間募集したとあります。
有効投票数5540通。応募曲数895曲。
目次を見ると、黒澤さんが紹介していた歌は、
というと、『故郷』が入っておりました。
昔の日本人の良さを的確に言い表していますね。
この逆が現代人だと思えば、現代人の病んだ理由がわかるような気がします。
私も反省しなければ!
コメントありがとうございます。
古本なのですが、
高浜虚子著「贈答句集」(菁柿堂・昭和21年)を
ひらいていたら、こんな箇所がありました。
俳句の前に、まず言葉があります。
「大正4年12月・10月神戸の俳句会に列せし時、
或人より俳号を付することを依頼されしこと
此頃思ひ出でて 」
水仙白し水仙と號すいかならん 虚子
再びのコメントありがとうございます。
何だか、今咲いている白水仙の
お喋りが聞けたような気分です。
ありがとうございました。
追加コメントを間違えて、
削除してしまいました。
ごめんなさい。
いつも通り、思いつきで書いたものでしたから、書かせてもらっただけで楽しませていただけました。
いつも和田浦海岸さんの記事には触発されてつい書いてしまいます。これからも、どうかよろしくお願いいたします。
寛容なコメントありがとうございます。
これからも、よろしくおねがいします。