和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

科学にロマンを。

2008-10-27 | Weblog
ノーベル賞受賞の知らせを受けた益川敏英(68)さんは、
麻生太郎首相からかかった電話で、次世代への言葉を求められ、
こう答えたとあります。
「科学にロマンを持つことが非常に重要。あこがれを持っていれば勉強しやすい。」

そういえば。と新聞掲載の益川氏の人となりを、適宜以下に引用してみます。

「益川さんの妹で名古屋市に住む岡田妙子さん(61)によると、益川さんが物理に目覚めたのは高校生のころ。ふざけてばかりで親類から『漫才師』とまで呼ばれていた兄が変わった。湯川秀樹博士にあこがれ、『物理が好きで好きでたまらん』と、いつも本を抱え、むさぼり読んだ。」(朝日10月8日)

「素粒子論との出合いは高校1年の時。名古屋大教授だった坂田昌一博士が発表した素粒子理論『坂田模型』を伝える新聞記事を読んだのがきっかけだった。『身近な場所で世界的な科学が生まれていることに感動した。名古屋大に入ろうと思ったのもこの時です』」(産経8日)

さてっと、
読売新聞8日には、「ノーベル賞電話会談 南部、小林、益川氏と江崎、野依氏」という全面記事があり、電話の受け応えが載っておりました。
そこでの益川氏は
「南部先生の受賞が一番うれしいです。(日本の理論物理学を牽引した)大長老ですから。ちゃんと受賞されたことが本当にうれしい。」そして中頃に
「南部先生と共同で受賞し、たいへん光栄だ。大学院に入ってから、(南部)先生の論文を眺め、しやぶりつくすぐらい読んで今日の私がある。」

そして次の日の新聞で益川氏の言葉に、こうありました。
「米シカゴ大の南部陽一郎名誉教授(87)との同時受賞についての質問に
『南部先生の論文をしゃぶり尽くしたのが私の基礎。私から見ればまさしく偉大な物理学者で、仰ぎ見ながら成長してきた。そういう先生と・・・』と言葉を詰まらせ涙ぐみ、眼鏡を外してハンカチで目をぬぐった。」(産経9日。ちなみにその日の産経抄にも、その場面を印象深くとりあげておりました)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 益川敏英。 | トップ | 英語は向かない。 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます。 (和田浦海岸)
2024-09-24 08:46:40
おはようございます。
コメントありがとうございます。

『 多神教的発想と一神教的観点 』
ということで、私に思い浮かんだのは、
震災時の『 苦しい時の神頼み 』でした。
いったい、どのように、安房郡長は言葉を
発していったのか?
流言蜚語の最中に、信じるにたる
言葉とはいったいどこにあるのか。
返信する
マルテンサイト千年グローバル (サムライソウルリスペクト)
2024-09-24 05:37:04
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事