山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

サンカヨウ(メギ科)

2021年02月05日 | 絶滅危惧種
 やや湿った亜高山帯の林縁を好んで生育する多年草である。花期は6~8月。高さは30~60㎝で茎や葉に縮毛がある。葉は2個付き、下の葉は大きく、長さ10~30㎝、幅12~35㎝の腎円形で荒い鋸歯があり、長い柄がある。一方、上の葉は小さくほとんど無柄である。花は大きさ約2㎝で、萼片12個のうち外側の6個は緑色で開花すると落ちる。内側の6個は白色で花弁状である。結実すると黒紫色の実を付ける。山梨県では南アルプスに生育しているが、鹿の食害や生育環境の変化で減少しており、花を付けない個体が多くなっている。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) 2017年環境省-


    サンカヨウ 平成19年7月 北岳で撮影


    同上


    平成22年7月 北岳で撮影


    同上 この頃までは元気な個体が見られていたが、この数年後からは見かけなくなってしまった。

 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

 ➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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ヒキヨモギ(ハマウツボ科)

2021年02月05日 | ハマウツボ科
山地や丘陵の日当たりの良い草地や林縁を好んで生育する1年草である。花期は8~9月。茎は直立し、上部が分岐して背丈30~70㎝になる。全体に曲がった短毛が密に生える。葉は3片ほどの広線形の裂片に分かれ、下方の裂片はさらに少数の裂片に分かれる。花は枝先の葉腋に1個ずつ付き、鮮黄色で長さ3㎝ほど、上唇には長い毛が生え、先端が細くなり2裂する。山梨県では富士山麓およびその周辺に生育しており、個体数はそこそこにある。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類(EN) 2017年環境省-

    ヒキヨモギ 平成27年8月 東部富士五湖地方で撮影

    同上

    同上 鮮やかな黄色の花で、上唇には毛が生えている。

    令和1年8月 富士山麓で撮影

    なかなか良い状態の花に出会えない。



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ミヤマツチトリモチ(ツチトリモチ科)

2021年02月05日 | 絶滅危惧種
 落葉広葉樹林下に生える葉緑素を持たない寄生植物で、カエデ属(ウリハダカエデ、ウリカエデ)等の根に寄生する。雌雄異株だが、雄株は発見されていない不思議な植物である。黄赤色~褐色の楕円形~長楕円形の花序で高さ5~15㎝、花というよりもキノコの仲間のように見える。成長した寄生根は塊根で緑褐色を帯び、大きな塊となり木質化する。花期は8~9月。山梨県では富士山麓、および南アルプスで生育が確認されている。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省絶滅危惧Ⅱ類(VU)


    ミヤマツチトリモチ 平成29年8月 鳳凰山で撮影


    同上 まるでキノコのように見える。


    同上 黄色っぽい粉が付着しているが、これが花粉なのかどうかは不明。


    令和1年9月 石空川渓谷で撮影


    同上

 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

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ミヤマムラサキ(ムラサキ科)

2021年02月05日 | 絶滅危惧種
 本州中部地方と北海道の高山帯の砂礫地に生育する多年草である。草丈は5~20㎝、茎や葉に白い剛毛がある。根生葉は長さ3~6㎜の線状披針形、茎葉は1~3㎝の披針形。花は淡青紫色で大きさ8㎜ほど、5裂してのどに黄色の鱗片があり、茎頂部に総状に付く。山梨県では北岳に生育しており個体数はあまり多く無い。

 2,018年山梨県絶滅危惧ⅠA類(CR) 2017年環境省-


    ミヤマムラサキ 令和1年8月 北岳で撮影


    同上


    平成20年7月 北岳で撮影。高山帯の岩場や砂礫地を好んで生育する。


    同上


    平成18年7月 北岳で撮影


    同上 花は5裂してのど(真ん中の部分)には黄色の鱗片がある。

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ヒメザゼンソウ(サトイモ科)

2021年02月05日 | 絶滅危惧種
 山地の湿地に生育する多年草である。特に湧水の場所を好んで生育する。花期は5~6月。葉は早春に出て葉身は卵状楕円形、長さ10~20㎝、幅7~12㎝と、花に比べて大きな葉を出す。花序の仏炎苞は暗紫褐色で大きさは2~5㎝ほど、結実するとパイナップルのような凹凸のある実を付ける。生育地は乾燥化が著しく、個体数が減少するとともに花を付けないことが多く、絶滅が危惧される。


    ヒメザゼンソウ 平成27年5月 富士川町で撮影


    同上


    500円玉ほどの大きさの小さな花序を咲かせる。


    平成28年6月 同じ場所で撮影


    同上 パイナップルのような凹凸のある実を付けていたが、手持ちで撮影したらピンボケのうえにブレている。


    令和1年5月 同じ場所を訪れる。かつては草に覆われた場所だったが下草がすっかり無くなって乾燥化していた。


    ヒメザゼンソウの葉


    残念ながら花を咲かせた株は1つも見つからなかった。この前年も花が見つからなかったとの報告を受けた。

 ⇒その他の山梨県の絶滅危惧の植物

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