山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

スルガスゲ(カヤツリグサ科)

2021年06月15日 | カヤツリグサ科
 山地ブナ帯の樹林内急斜面や岩場に生育する多年草である。茎の高さ15 ~ 20㎝。葉は果期にも有花茎より著しく低い位置に出て、常緑で深緑色。根茎は短く叢生し、匐枝は伸ばさない。全体にヒメカンスゲに似るが、鱗片は鋭頭で、凹頭とならない。果胞は無毛で数本の脈があり、長い嘴がある。静岡県との県境の安部峠に生育すると書には書かれているが、他に西沢渓谷での生育が確認されている。

 2018年山梨県カテゴリー 絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    花期のスルガスゲ 令和3年5月 西沢渓谷で撮影


    同上 


    同上 葉は深緑色で低い位置に出る。


    先端部の雄小穂は赤紫色。その下の雌小穂はやや先端寄りに付く。


    果期のスルガスゲ 令和3年6月 西沢渓谷で撮影


    同上 既に穂が傷んでいるものが多かった。


    雌小穂の鱗片は先端が尖る。果胞には数本の脈があり嘴は長い。


⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

➡山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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アカンスゲ(カヤツリグサ科)

2021年06月15日 | カヤツリグサ科
 亜高山帯の湿地や高層湿原に稀に生える多年草である。葉は柔らかく線状で細く、幅 1 ~ 2㎜。有花茎は高さ20 ~ 50㎝になる。小穂は雌雄性で倒卵形、長さ3 ~ 5㎜、3~4個が離れてつく。北海道、岩手県、栃木県、長野県、山梨県に隔離的に分布しており、いずれの場所も個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー 絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリー絶滅危惧ⅠB 類(EN)


    アカンスゲ 令和3年5月 山梨市で撮影


    同上 小穂の頂部が雌花、その下が雄花になっている。


    結実した頃のアカンスゲ 令和3年6月 同じ場所で撮影


    アカンスゲの穂


    叢生するアカンスゲ


    小穂は穂の先端部寄りに3~4個がやや離れて付く。


⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

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フトイ(カヤツリグサ科)

2021年06月15日 | カヤツリグサ科
 池や沼地の水辺に生育する多年草である。茎は円柱形で太く、高さ100 ~ 200㎝。地下茎は太くて横に這い、全体としてはまばらに花茎を立てて大きな群落を作る。花序は茎頂に付き、長短不揃いの枝に小穂をつける。小穂は楕円形、長さ8㎜ほどで、果時には褐色になる。全国的には少なくないが、本県では生育地が富士五湖周辺に限られている。

 2018年山梨県カテゴリー 絶滅危惧ⅠB 類(EN) 2017年環境省カテゴリーなし


    フトイ 令和3年6月 山中湖で撮影


    同上 茎は太く、高さは大きいものでは2mになる。


    花は茎の頂部に付き、長短不揃いの枝に小穂を付ける。


    フトイの花序


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毎年恒例の三ツ峠清掃登山に参加する 令和3年6月12日

2021年06月15日 | 山に咲く花
 この時期の毎年恒例となっている山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山に参加させていただいた。シダやテンナンショウ属はだいぶ見て回ったと思うが、今年はツツジやウツギなどの樹木類も見て回ってみたいと思う。


    三ツ峠山荘の前から見る富士山。小雨に降られることが多かったが、今年は時折青空が見える曇りだった。


    三ツ峠山荘の中村さんの説明を聞きながらテンニンソウの除去作業を行う。毎年除去しているがしぶとく生えてくるテンニンソウ。


    今年は冬の雨が少なかったためか、花が小ぶりで花数も少なかった。


    保護柵内で元気に茂っているユキザサ


    群生して生える大型のシダは大抵ヤマドリゼンマイかオシダだが、少し違うものが生えていた。


    鱗片の真ん中がこげ茶色。これはミヤマベニシダであろう。

 テンニンソウ除去作業を1時間ほど行った後、三ツ峠山荘に戻って昼食となる。その後、山頂付近の植物観察に出かける。ラン科植物のほかに今回のお目当てのツツジやウツギを見て回る。


    山頂付近に多く生えているシロバナフウリンツツジ。この山以外ではあまり見たことが無い。


    これもこの山でしか見たことが無いムラサキツリガネツツジ


    ムラサキツリガネツツジ


    これは他の山でも比較的良く見かけるベニバナウツギ


    こちらは時々見かけるベニバナツクバネウツギ


    キバナウツギを期待したのだがこれはウコンウツギだった。


    葉が細めで先端が尖るヒメウツギ


    こんなものに出会えるとは思ってもいなかった。


    ニッコウヒョウタンボク。この山に生育していることすら知らず、驚いた。


    ここに咲いているのはグンナイキンポウゲのはずである。


    根生葉は円みを帯びてはいるが、尖っているように見えるものもあり、なかなか自信が持てない。


    探していたのはこのテンナンショウ属。葉軸が1本で花の位置は葉より低いか同じ高さ。


    これはヒロハテンナンショウではないかと思う。

 花の観察会の後に私のスライド上映会が予定されていたのだが、USBメモリーにデータ転送を失敗したようで、転送したはずのデータが入っておらず空のメモリーを持って来てしまった。そのため本日の上映会は中止となってしまい、参加メンバーに申し訳ないことをしてしまった。またの機会に上映したいと思う。

 保護柵の中にも時として鹿が入り込むようで、一部食害を受けた植物や鹿の糞が散見された。大切に保護されている特別な植物は被害を被っていないようである。よくぞこれだけの保護柵を設置し、管理しているものだと、三ツ峠ネットワークを主とするメンバーたちに感心させられる。

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