山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

八ヶ岳の湿地を訪れる 令和3年5月29日

2021年06月03日 | 山に咲く花
 昨年は入山規制があったため設置できなかった植生保護のためのロープ設置がこの日に行われることとなり参加してきた。総勢20名弱の多くの人たちの協力により、荷物を分担して担ぎ上げ杭を打ち込みロープを張った。植生保護ロープであるがトラロープのように見えてしまうところや、登山道から外れて張られた部分があたかも登山ルートのように見えてしまうところがあったり、設置看板が少なかったりといろいろ不備な点もあるのだがひとまずは完成した。これで踏み荒らしが防げて植生保護の役に立ってくれることを願う。


    植生保護ロープ設置に向かうメンバーたち


    完成した植生保護ロープ


    ほとんどトラロープに見えてしまい、つかまって登る人たちがたくさん居るのではないかと思う。

 思ったよりも早く作業は終了し、12時には作業を終えて食事となった。一行と分かれて数名で別の場所にある湿地を訪れてみることにする。


    ルートの途中にあった石仏。千と千尋の神隠しに出てくるお化け?とそっくり。


    ヒメハギ。色が濃い。


    湿地に到着。過去の画像を見て、このヤチボウズの正体が何なのか気になっていた。


    さて、これは何スゲ?


    雌小穂を見ると果胞の先端部が長く延び、タニガワスゲのようである。


    同じ場所に生えているこのハリスゲの仲間は何だろう?


    小穂は先端部の雄花部分が長く実はそこそこに付いている。これはコハリスゲではないかと思う。


    もうひとつの目的の花、ハルリンドウ。


    日が当たり始めたら咲き出した。


    別の湿地に立ち寄ってみる。クリンソウが咲いていた。


    手前にあるのはタニガワスゲ。このスゲは普通にあるようだ。


    タチカメバソウ


    オニゼンマイが胞子葉を広げていた。

 2年ぶりに訪問した湿地であるが、以前に比べてタニガワスゲが増殖していた。そのためか、ハルリンドウは外に追いやられて数が減ってしまっているように見受けられた。自然界の争いは熾烈である。

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カヤツリスゲ(カヤツリグサ科)

2021年06月03日 | カヤツリグサ科
 湖畔の砂地を好んで生育する1年草である。茎は叢生し、草丈15~30cm。葉は細く幅1.5~2.5㎝。花序は多数の小穂が茎頂に頭状に密集してつき、下部の2~3個の苞は葉状で著しく長い。小穂は雌雄性、多数の雌花と基部に少数の雄花をつける。雌鱗片は披針形、先は鋭尖頭で芒端。果胞は直立し、狭披針形~披針形、黄緑色~淡緑色、膜質で長さ7~10mm、縁は狭い翼状でざらつき、基部は柄状。上部は嘴状となり、口部は2深裂する。柱頭は2岐。山梨県では富士五湖の湖畔に点在するが個体数は少ない。

 2018年山梨県絶滅危惧ⅠB類 2017年環境省絶滅危惧ⅠB類


    カヤツリスゲ 令和3年5月 河口湖で撮影


    同上


    同上


    別株


    雌花の鱗片は細くて長く、密集して箒状になる。


    令和3年5月初旬に撮影したまだ若いカヤツリスゲ

⇒山梨県の絶滅危惧のカヤツリグサ科植物一覧

⇒山梨県の絶滅危惧の植物 ~科別分類~

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