山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

初夏の鳳凰山薬師岳(2日目) 令和3年6月19日

2021年06月23日 | 高山に咲く花
 薬師岳小屋は感染対策が徹底しており、部屋は敷居を立てて個室になっており床や壁には透明なビニールシートが張られている。宿泊客の人数も通常の半分以下に制限しており、これでは儲からないのではないかと心配になってしまう。ゆっくりと寝て朝食は6時に準備していただいた。予想はしていたが筋肉痛を起こしており、足だけでなく重い荷物を背負ったため背中も痛い。痛み止めのロキソニンを1錠飲んで7時前に小屋を出発し、南御室小屋に向かう。


    朝から小雨。カッパを着て出発する。


    コイワカガミはまだ蕾のものが多いが、気象条件が厳しい場所に咲くため花は傷んでいるものが多い。


    クモマナズナ。シロウマナズナが無いかと探してみたが見つからず。


    ヒモカズラというシダの仲間。結構レアもの。


    リンネソウはまだ蕾も見えない。


    南御室小屋に到着。

 8時半に南御室小屋に到着し、小屋の中で休ませてもらう。他の仲間たちは夜叉神峠を早朝に出発し、10時ごろには南御室小屋に到着するらしい。どれだけにのハイピッチで登ってくるのだろうか?その前に小屋周辺の植物を散策する。


    南御室小屋前の草地。ここには様々な高山植物が生えるが食害を受けてバイケイソウがだいぶ増えてしまっている。


    草地を上から見下ろす。


    草地の中のギョウジャニンニク群落。食料目的で採取されてしまい、現在では山梨県で残っている場所が少ない。


    まだ蕾のギョウジャニンニクの花


    テント場の草地にはヒメスゲがたくさん生えていた。


    もう1種類たくさん生えていたのがこれ。普通にみればただの雑草。


    これはイネ科の草なのか?これから調べて行きたいと思う。

 メンバーは予定通りの10時に小屋に到着した。足の速いつわものばかりである。小雨の中で作業を行い、手際良く進んでお昼には作業を終えた。


    本日の目的はこの保護柵の設置である。

 昨年の8月に韮崎市の依頼で鳳凰山の植生調査が行われ、その際に私も同行したため今回の作業にも協力することとなった。分からない植物も多々あるのだが、柵内に生育する植物の調査にも今回は協力させていただいた。作業後、南御室小屋で準備していただいた餃子スープをご馳走になりながら、小屋の中でゆっくり休みながら昼食となる。そしてまた、本日の宿泊地である薬師岳小屋に戻る。明日は薬師岳小屋周辺の保護柵設置の予定である。天候は回復してくれそうである。




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初夏の鳳凰山薬師岳(1日目) 令和3年6月18日

2021年06月23日 | 高山に咲く花
 訳あって鳳凰山に行くこととなった。合流予定の他メンバーに先駆けて1日早い6月18日に薬師岳小屋に泊めていただき、あわやくば星空の写真を撮ろうという作戦に出る。花を見ながらのゆっくり登山ではあるが、久しぶりに登る青木鉱泉からの中道登山道は急登のうえに距離が長く、悪戦苦闘して薬師岳山頂にたどり着いた。


    林道脇に咲いていたウツギの仲間。白や薄紅の花が混ざっており、これはニシキウツギか?


    他のウツギを探しながら登ったのだが目ぼしいものは見つからず。これはコゴメウツギだろう。


    ミヤマベニシダ


    よほど食べ物が無いのか、食害に遭っていた。


    オシダも食べられていた。


    アスヒカズラ


    こちらはマンネンスギ。いずれもあまり数は無かった。


    ホソバテンナンショウと思われるが仏炎苞の筋が半透明に透けて見え、別物かも知れない。


    まだ蕾のコフタバラン


    こちらもまだ蕾のキソチドリ


    イチヨウランは葉を数枚確認できたのみで、花や花芽は見つからず。


    オサバグサはこの一株しか見つからなかった。


    キバナノコマノツメは結構咲いていた。


    もうすぐ薬師岳山頂に抜け出る。疲れて足が上がらない。


    やっと見えた薬師岳山頂の岩峰


    ずっと曇り空と途中は霧の中だったが、なんとか雨に降られずに薬師岳に到着。

 6時間くらいで登りつけるだろうと思っていたのだが予定時間を遥かにオーバーして8時間かかってやっと薬師岳山頂に到着した。山頂周辺の植物を散策しながら薬師岳小屋に行く。さらに夕食までまだ時間があったので砂払山の周辺も散策してみる。


    岩の隙間に咲いていたクモマナズナ。シロウマナズナとの違いは葉に切れ込みがあること。


    ハイマツの下にひっそり咲いていたヒメイチゲ。


    コイワカガミは風に吹きさらされるためか、花が傷んでいた。


    確信は無いがこれはミヤマコウボウと思われる。


    穂の拡大。個体数はあまり多くなかった。


    こちらはミヤマハルガヤではないかと思うが、全く自信無し。


    叢生してたくさん生えていた。


    小屋の前に生えていたヒメスゲ。甘利山で多く見かけるが、標高2700mの高地にも普通に生えていた。


    こちらはコハリスゲではないかと思う。中腹の登山道脇にも結構生えていた。


    夕食前のひととき、白根三山が姿を見せてくれた。

 この日の薬師岳小屋の宿泊客は私一人だけだった。天候が良くないうえにまだシーズンではないので登山客は少ないようである。ゆったりと過ごさせていただいた。まだ高山植物はあまり咲いていないが、イネ科やカヤツリグサ科の植物はそれなりに穂を出して楽しませてくれている。しかし、勉強不足なことと結実してからでないと確定出来ないこともあって、まだ分からないものばかりである。正体が分かるまでには数年かかるかも知れない。

 夜になると小雨が降りだした。明日の天気予報は終日雨のようである。星空はあきらめて、明日の作業に備えてゆっくりと寝ることにする。

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