2月5日(土)快晴。北西の風、すこぶる強し。
「国道6号線(水戸街道)・大利根橋」からスタートです。日差しは暖かく感じますが、風が冷たい一日。
今回は「海から100㎞」地点を目指して。
「二号排水路」。
「二号排水路」は、「利根運河」から利根川沿いに右岸の農地を通り、ここまで続きます。
左手遠くに「富士山」(↓)。
白雪の富士。
田畑が広がります。
「海から86㎞」ポスト。
ということは残り14㌔と、軽く考えていました。が、何しろ北西の風に向かって歩くのですから、けっこうしんどい!
遠く、我孫子市の街並み。
対岸は、取手市。
白い建物は、「江戸川学園取手中学校・高等学校」?
東を望む。
しばらく行くと、土手の道は通行禁止に。その先は「田中調整池越流堤」のようです。ここまでの堤防の高さより一段低くなっていて、堤防が頑丈に造られています。
実は広大な農地は貯水池の役割も担っているのです。
治水対策はダムではなく遊水地で~田中調節池を見学~
(2004年)4月10日、千葉県自然保護連合のメンバーら7人が柏市と我孫子市にまたがる「田中調節池」を見学しました。案内してくれたのは地元の方です。
この調節池は面積が1175ヘクタールもあり、広大です。ふだんは農地となっています。調節池に接する利根川の堤防は、一部に越流堤がつくられています。越流堤は3メートルほど低くなっており、大洪水のときに利根川から水が流れ込むようになっています。大洪水が起こると、農地が灌水(かんすい)するようになっているのです。実際に、5年に一度とか、10年に一度、灌水します。しかし、今は排水ポンプがつくられているため、灌水しても3日間ぐらいで排水できるとのことです。農地が灌水した場合は、不十分ながら、共済組合から補償金がだされるそうです。
田中調節池は、周辺にある「稲戸井調節池」「菅生調節池」と一体となって洪水を調節することにより、利根川の下流部における治水安全度の向上を図る施設と位置づけられています・・・
(この項、「房総の自然と環境」HPより)
「毎日新聞」 2020/1/10 13:42より
昨年10月の台風19号の際、利根川を越えて田中調節池(千葉県我孫子・柏市)など3調節池に入った水量が、東京ドーム約72杯分と過去最大を記録していたことが、国土交通省利根川上流河川事務所の調査でわかった。台風19号時の利根川上流での3日間の雨量は同水系で戦後最大の水害をもたらしたカスリーン台風(1947年)と同規模を記録しており、同事務所は「調節池などの洪水調節施設がうまく機能し、洪水を防ぐことができた」と分析している。
2019年の台風19号では利根川や荒川水域では大きな被害を受けました。その時、この一帯は、堤防を越境させ田畑に流し、下流への被害を少なくした、と。
せっかく丹誠込めて育てた稲などの野菜が、一瞬のうちに水没してしまうことは忍びない感じがします。
が、治水のため、莫大な費用を費やして大型ダムを造成する、それによって多くの土地が失われ、多くの住民が先祖代々続けてきた生活の場の移転を余儀なくされる事態が利根川上流でも起こっています。費用対効果などそうした施策と比較検討する必要がありそうです。
堤を下り、「二号排水路」沿いを進みます。
一羽のシラサギが。
飛び去っていきます。
気がつくと、一般の(干拓した)田畑では、田畑の他に家屋が点在していますが、この地域には温室などの小さな工作物はありますが、家屋はまったく見当たりません。目的がはっきりしているわけです。
再び土手の道へ。