おやじのつぶやき

おやじの日々の暮らしぶりや世の中の見聞きしたことへの思い

読書「水の都市 江戸・東京」(陣内秀信+法政大学陣内研究室編)講談社

2013-11-30 16:29:27 | 読書無限
 このあいだ、お葬式のために大阪へ。新幹線で「新大阪」まで。そこから乗り換えて、天王寺。その車窓。いくつもの川・運河を越えていきました。さすが「水の都」大阪、という印象。
 川の名は確かではありませんが、「淀川」、「安治川」「尻無川」(道頓堀川の下流?)「木津川」・・・。天王寺そのずっと南は、大阪湾。大阪は、入り江の街だ、と安直に言ってはいけませんが、そんなイメージ。

 片や、東京。大きな川は荒川、隅田川、多摩川(この川にはあまり縁はありませんが)。他にも運河や河川はありますが、電車に乗っていても、あまり気にとめたこともなかった。考えてみれば、東京都心の鉄道網は地下に張り巡らされていて、日の目をみない電車での行き来。(東京湾最奥部となる江東区埋め立て地地域では、少しようすは違いますが。)
 さらに、これほど川を渡る、越すなどが気にならないのは、かつての運河・中小河川が埋め立てられてしまった、ということにも大きな原因があるのではないでしょうか?
 その中でも、隅田川は、近代的な景観をつくって、(かつての汚辱にまみれ、住民からまさに鼻つまみ者扱いされた川が)都市街造りとの調和を図っているようすが見られます。(まだまだ人と川とを完全と隔てる「カミソリ堤防」は残っている箇所もありますが)。
 また、東部下町地域の小名木川、北十間川などの水辺づくり。目黒区、大田区などの運河の再生、など地域住民を含め、行政の多彩な取り組み。多摩地域での野川などの「はけ」湧き水の保存、里山の保存、・・・玉川上水の再生など、工場排水や生活排水の規制、下水道施設の完備によってよみがえりつつあります。
 一方で、埋め立てや高速道路の橋脚などで失われた河川のその後のようす。かつての流路からよみがえる「水の都市」としての江戸の町並み、そして現在。・・・
 こちらの関心は、もっぱらその「失われた河川」の現在と昔。

 今回も、またこの書の内容を後追いしながら探索のたびに出かけようかと・・・。
 なお、表紙の絵の左は、安藤広重「大はしあたけの夕立」(「新大橋」)。
  

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