五街道雲助。
吉原の、お客を相手に世辞を旨く使いこなして男を骨抜きにしてしまうお話を枕に。
大金を無尽で手に入れた男。行きつけの女郎にこれで夫婦仲になろうと持ちかける。だまされたに違いないという叔父さんから一芝居を打つように仕向けられた源さん。
酒の席で人を殺してしまった、一緒に死んでくれ、と頼まれた、お玉。二人で大川(隅田川)にやってくるが、二人とも身投げをする気はさらさら無い。女は、男をせかせて飛び込むように差し向けるが、男もその気はまるでない。女は焦れて先に石を身代わりに投げ込む。
男は女が身投げしたと思って、続いて、大きな石を投げ込み、成仏してくれ!
ところがお茶屋に男は羽織を女はかんざしを置いてきた。それを取りに戻って、二人は出くわす。
驚いた二人、「いやだね、さっき娑婆で会ったばかり」。
五街道雲助師匠。当代は六代目となっているが、明確な資料が残っておらず、名跡であることに変わり無いのだが代数がはっきりしていないため、当代の師匠である10代目金原亭馬生が六代目と付けた。
自身が珍しい名前を名乗っていることから、弟子には真打昇進と同時に珍しい名前を名乗らせている。
雲助師匠は1948年に墨田区本所の生まれ。1968年に十代目金原亭馬生に入門。1972年の二ツ目昇進で五街道雲助と改名、1981年に真打。古き良き江戸落語を今に伝える「通好みの本格派」。
「落語は江戸東京の感覚に根ざした地域芸能であるという一面を残しておきたい」という五街道雲助師匠。その武骨な演出・話風には「江戸の風」が吹いているようです。
なお、この出演後(5月上席)、新型コロナ感染症の陽性反応が出たため、その後は、休演しました。ワクチンを接種したあとの発症のようです。
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