菖蒲の咲く頃の葛飾は美しい 田園は青葉に霞んで 雲雀が鳴く 堤の桜も花見のころは人が出盛ったが それも過ぎると 水に柳の眺めのよい季節になる 沼地の多い土地柄で 田の畦にも菖蒲が咲いた
『葛飾の女』より 芝木好子
師である日本画家への思慕を絶つため、葛飾に嫁していった女弟子の懊悩を、水郷の景物を背景に描いた作品。
6月10日(金)。水元公園の花菖蒲を見に出かけました。
水元公園の「花菖蒲田圃」。「みずもと桜堤」と「小合溜」の間に大きく広がっています。
○一帯。
小合溜の対岸は、埼玉県三郷市。
睡蓮。
1880年代のようす。
「小合溜井」(現在の「水元公園」)への流れの一部が、現在の「大場川」となっている。
2010年代のようす。
かつての流れが現在も市区の境になっている(足立区、葛飾区、八潮市、三郷市)。
けっこうな人出。
1年目のものから3,4年目のものまで。若い菖蒲から最盛期の菖蒲、そして熟し切った菖蒲と、田圃ごとに区分けされ、それぞれが精一杯、見事な花を楽しませてくれます。
1年生から3,4年生。それぞれの生育ぶりがよく分かります。
所々に四阿があって、花菖蒲を眺めながら、ユックリとくつろげます。
土日には屋台なども出て、華やいだ雰囲気に。3年ぶりのお祭りです。
コロナ禍で外出もままならなかった年寄り、足の不自由な人など、梅雨の晴れ間、つかの間の散策を楽しんでいるようです。
向こうにステージや屋台が。
花菖蒲の咲く田圃には、木橋が架けられ、身近に観察できます。
ガクアジサイと花菖蒲。
アジサイも最盛期です。
キンシバイも存在感あり。
中国原産で、和名は中国名の「金糸梅」に由来し、これは5枚の花弁を梅に、長く突き出た雄蕊を金の糸に喩えたもの。
田圃が点在し、それぞれ楽しみながら散策できます。「堀切菖蒲園」や「小岩菖蒲園」とはまた違った味わい。
(「講談社文庫」HPより)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます