Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ロレンス不在

2021年08月29日 06時30分06秒 | Weblog
何が悪かったのか:アフガニスタン政権瓦解を生んだ国際社会の失敗
 「現地情勢を行う分析官の多くが現地語を理解せず、もっぱら翻訳されたものや中東系移民からの情報に依存して、自身でナマの情報を扱わない。イラク戦争の数年後、イラクやアフガニスタン情勢を分析報告する米シンクタンク系の第一線の専門家に、アラビア語は読むのか、と聞いたとき、こう答えたのが印象的だった。「情報が多すぎる。現地語で読んでいる暇はないので、全部通訳に依存している」。なるほど、今回、数多くのアフガニスタン人通訳が真っ先に国外脱出を希望したのは、それだけ米軍や米関係企業が通訳や現地助手に依存しなければならなかったことをよく表していよう。
 だが、こうして、情報が歪む。じかに社会に接しての情報や知識が、得られない。

 「かつて現地の方言を駆使し、地元部族とツーカーの関係を積み上げて大英帝国の植民地統治に大いに貢献した、T.E.ロレンスやガートルード・ベルのような考古学者が重用されていれば、米国はアフガニスタンで成功したのだろうか?」

 米政府が情勢を読み誤った原因の一つとして、「翻訳情報への依存」が挙げられている。
 政策立案者がアラビア語を解せず、イスラム教を知らないというのであれば、正確な情勢分析が難しいというのは一理あるだろう。
 例えば、BBCなどを観ても、タリバンに good faith (信義誠実)があるかどうかを見誤ったのではないか、要するに相手の「肚の内」が分からなかったのではないかという指摘が出ているが、おそらくそうなのだろう。
 こういう風に考えてくると、アラビア語やアラブの文化に精通した「アラビアのロレンス」のような人物が政権中枢に不在であったことが、今回の悲劇の一因だったのかもしれない。
コメント
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