取材レポート「真実を知るためなら、何でも行う」―ウィシュマさんについての「最終報告書」は何が問題か
「最終報告書に記載されている中でも、入管のいびつな収容のあり方を端的に表しているのが、ウィシュマさんの仮放免を不許可にした理由だ。「一度、仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国を説得する必要あり」などという記載があるが、10日の記者会見で代理人の指宿昭一弁護士は、「長期収容による身体的、精神的苦痛を与えて、意思を変えさせることを“何が悪いのか”と開き直っていますが、これは拷問です。拷問していることを入管は認めている」と強く語った。髙橋済弁護士も、「閉じ込めて音を上げさせて帰らせる、というマインドから抜け出さない限りは、日本社会は“先進国”と肩を並べるような状況にはたどり着けないでしょう」と指摘する。」
「国や政府という大きな構造が、いつしかその組織体の保身を最優先するようになり、個人の命が切り捨てられていく――こうした構図はウィシュマさん、赤木俊夫さんの事件に限らず、今の社会が抱える深刻な病としてこの国に蔓延ってはいないだろうか。煌びやかな祭典や為政者の上滑りする言葉の影で、孤独を抱えた誰かが密室でひっそりと殺されていく社会は、果たして本当に私たち一人ひとりが幸せに生きられる社会なのだろうか。」
国家による「拷問」は、もちろん許されないことであるが、これを組織ぐるみで隠蔽し正当化しようとする構図は、赤木俊夫さんの事件と共通している。
「国や政府」に限らず、集団がその存続のために個人を切り捨てる(時にはその命を奪う)現象は、古今東西でみられるが、その根本原因を究明しようという作業が、とりわけ日本では遅れているようだ。
何しろ、法務省がこうした集団の筆頭に挙げられるほどだから。
合掌。
「最終報告書に記載されている中でも、入管のいびつな収容のあり方を端的に表しているのが、ウィシュマさんの仮放免を不許可にした理由だ。「一度、仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国を説得する必要あり」などという記載があるが、10日の記者会見で代理人の指宿昭一弁護士は、「長期収容による身体的、精神的苦痛を与えて、意思を変えさせることを“何が悪いのか”と開き直っていますが、これは拷問です。拷問していることを入管は認めている」と強く語った。髙橋済弁護士も、「閉じ込めて音を上げさせて帰らせる、というマインドから抜け出さない限りは、日本社会は“先進国”と肩を並べるような状況にはたどり着けないでしょう」と指摘する。」
「国や政府という大きな構造が、いつしかその組織体の保身を最優先するようになり、個人の命が切り捨てられていく――こうした構図はウィシュマさん、赤木俊夫さんの事件に限らず、今の社会が抱える深刻な病としてこの国に蔓延ってはいないだろうか。煌びやかな祭典や為政者の上滑りする言葉の影で、孤独を抱えた誰かが密室でひっそりと殺されていく社会は、果たして本当に私たち一人ひとりが幸せに生きられる社会なのだろうか。」
国家による「拷問」は、もちろん許されないことであるが、これを組織ぐるみで隠蔽し正当化しようとする構図は、赤木俊夫さんの事件と共通している。
「国や政府」に限らず、集団がその存続のために個人を切り捨てる(時にはその命を奪う)現象は、古今東西でみられるが、その根本原因を究明しようという作業が、とりわけ日本では遅れているようだ。
何しろ、法務省がこうした集団の筆頭に挙げられるほどだから。
合掌。