パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

変化球の「記憶にございません」と直球の「新聞記者」

2019年09月18日 08時33分01秒 | あれこれ考えること

世の中にはいろんな捉え方がある
三谷幸喜さんが安倍さんと並んで映ってる写真が首相官邸のツイッターにアップされていて
彼もまたお抱え芸能人の類になってしまったのか、、と一部のファンから不満の声があがっている
だが一方、同じくらいの数で、これは三谷幸喜さんのとても高度な皮肉・おちょくりと
評価する声もあがっている

ツーショットの写真は映画「記憶にございません」の上映の表敬訪問(?)で
撮影されたものらしい

この映画を公開二日目で見た自分とすれば、ツーショットの写真の評価は
後者の高度な嫌味、ユーモアの解釈に同意する

映画は支持率最低の総理大臣が投げられた石が頭にあたって、そのせいで記憶喪失に
なってしまった設定で話は進んでいく
三谷幸喜氏はこれを作るためにいろんなエピソードを書き留めておいたらしいが
それらは随所に形を変えてバカバカしいとか笑える形で登場する

石田ゆり子の演ずる首相夫人がバカバカしいPR番組を定期的に放送しているときに
さり気なく出てきたセリフが「首相夫人はなんでもできてしまう」
これは想像力の働く人なら森友学園のことに関連付けるだろう
また首相夫人の不倫は、実社会の自由奔放な例の女性の酒の上の席での
あるロック音楽との週刊誌記事を思いださせる

その他にもゴルフ外交のシーンがあるが、ゴルフばかりしているあの人の
印象的な情けないシーンを思い出す(ツイッターにあがっていた)
トランプさんとゴルフをしていたある時、その人はバンカーからグリーンに登ろうとしが
体のバランスを崩してコケてしまった
トランプさんはそれを知ってか知らずか、スタスタと歩いて行ってしまった

貿易交渉のシーンは、さくらんぼの輸入を迫るアメリカに対して、記憶を失って
政治家前の記憶や生き方に優先している首相は「日本を守るために」と強く拒絶する
そしてこの強い態度は、木村佳乃演ずるアメリカの心をうち(このあたりは若干お気楽だが)
二国間はお互いに同等の立場でものを言い合えるようになるのがいい、、との言葉を引っ張り出す
これは結局アメリカの言いなりじゃないか、、、と常々思わせれている我々は拍手喝采したいところ

その他、自分の立場から見ると皮肉はいたるところに溢れているように思われた
少し前の政治を扱った映画「新聞記者」は、思いっきり直球で問題提起したが、こちらは変化球で表現したものだ
このように解釈できる作品を、あの人は映画を見たか見なかった知らないが
安易にツーショット写真をとってお気楽にアップしてしまった感性の鈍さは、、、、う~~ん

ところで、映画「新聞記者」では、内調の仕事場を思わせる薄暗い部屋で多くの人が
コンピュータ画面に向かって(デマの)SNS発信をしているシーンがあったが
これはまるっきり想像上のものではないことを示す事実がある

それはある人物が、ネトウヨとされる人々の投稿の時間帯等を徹底的に調べたところ
それらは一般社会の勤務時間に投稿され、自分たちに都合の悪い投稿にはすぐさま反応していた
ことが明らかになった
そしてとても興味深い例の1つに次のようなものがある
国会で野党議員から「安倍さんは、数年前の◯月◯日、▲▲さんと会っていたのではないか」
との質問が、(確か)夜の時間に発せられた
この質問に対するある人たちの反応がすごかった
次の日の朝早くの時間に、朝日、毎日、読売、あと1紙で、問題となった日付の「首相動静」の
記事の写真がツイッターにアップされていたのだ(▲▲さんとは会っていない、、と)
昨日今日のことではない、何年か前のことで、それらの新聞を探すだけでも大変なのに、、
何年も新聞を保存しておくなんてことは一般家庭では考えられないし、
仮に図書館で探したとしても通常の図書館は閉まっている時間帯で集めるのは不可能
すると考えられるのは、これらの新聞記事は国会図書館で集めたのではないか、、という疑い
そしてそれができるのは、、、
この類推から薄暗い部屋でコンピューター画面に向かって、なにかしている人たちのシーンとなるわけだ

物事にはいろんな捉え方があるが、その前提となる情報をいろいろ知ってると、いろんな解釈ができるということ
(あまり細かな見方を紹介すると、あの人たちが気づいてしまうかもしれないから
 内緒にしておかなければいけないのかも)

 

 

コメント
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