自分の住む新城市の少しばかり気がかりな話題
市議会の傍聴もテレビで中継も見たことのない人は
市議会ではどんなことが話され、決まっていくのかわからなと思われるので
おせっかいながらわかりやすいわかりやすい例を紹介
17人もいれば物事の判断はみんな一緒と言うわけにはいかない
意見が分かれるのは正常なことと思われる
議会は一般質問、各委員会、などを経て最終日には議決というステップを踏む
議会に上程される議案は大半は法律の変更に伴うもので、誰もが反対のしようがないもので
議決行為はお墨付けをする儀式のようなものだが、時に賛成反対の意見が分かれることがある
新城市の9月定例会の最終日に議決が割れる案件があった
それは「決算」の認定についてだ
3月議会で承認された予算の執行について、半年経過した時点での判断として
良しとするか、問題ありとするかを議決する議案で、2つに分かれたために採決が行われた
議会の段取りとしては採決の前に「討論」というものが行われる
議員さんが壇上に立って、かくかくしかじかの理由でこの議案には賛成とか反対と述べるのだ
「決算認定」については3人の議員(山田・澤田・浅尾)が反対討論を
2人の議員(山崎・長田)が賛成討論を行った
まず反対の方の考え方としては山田議員は、
新東名高速バスが利用者が少ない(一便あたり7人)現状にも
かかわらず大きな金額を使っているのは、お金の使い方として間違っているのではないか
むしろ子ども食堂などの地に足の着いたお金の使い方をすべきではないか
この問題があるために決算の安易な認定はできない
続いて澤田議員は
やはり新東名高速バスを問題としている
決算の全てに反対なわけではない
しかし、実証実験運転を開始する時に当時の総務部長が述べた目標数字(年間45000人)に
遠く及ばず、同様に掲げたKPIの数字にも達していないし、実証実験を行うにあたって実行する言われていた
PDCAも行われていない
この様ないい加減なままで決算を認定すれば、実証実験が終了した来年度も新東名高速バスを
運行する予算案が出てくる可能性がある
圧倒的な経済不採算性のために、この新東名高速バスは中止すべきとの考えから、
その継続の可能性を匂わす決算の認定には反対する
浅尾議員の反対の理由は、新東名バスの他にもう一つある
前にあげた二人と同様に、立ち直る見込みのなさそうな新東名高速バスに疑問を呈していて
お金の使い方としては、学校施設の修理とか補修に使うべきではないかとの視点と
現在裁判沙汰になっているにもかかわらず、政務活動費を含む決算に安易に認定して良いものだとは思えないというもの
一方、賛成意見として山崎議員は
そもそも予算案事態が優れたもので、認定は全体をみて判断すべし
反対の方々は終始一貫して「反対」の立場を取り続ける傾向がある
それは専門的な優秀な監査委員にも文句をつけているかのよう
高速バスについては、すでに予算執行と議決されているのだから
反対反対と言わずに、どうすれば利用者が増えるかを考えるべき
トータルで考えれば問題なく執行されているので反対する理由がない
残る長田議員は高速バスには触れず、決算の任意すべき事項をトータルで
考えるならば概ね問題はないので賛成との意見
こうして並べてみると、反対派の議員は「具体的」な指摘をしているが
賛成派の議員さんは話が「抽象的」なものとなっている
(この抽象的な物言いは行政の一般質問時にもあったがこれは少し後で紹介)
こうして採決に至ったが、反対は討論をした三人と山口議員の四人
あとの議長を除く議員さんは賛成で、決算の認定となった
ここで、問題を絞って「新東名バス」について少し細かく考えていくと
9月の佐宗市議の一般質問にこの問題はあげられた
その中で記憶に残っている行政側の答弁が2.3ある
「実証実験の検証は誰が行うのか、、、庁内かそれとも外部か
外部があるとすれば、それはどんなものか?」
この質問に対する答弁には思わず呆れてしまったが
「検証は庁内で行います、外部はバス会社とか旅行会社とか、、」
検証が庁内、外部が関係者たち、、、
それで果たして正しい検証が本当にできると考えているのか
少し腹が立ってきたのでいろいろ思い出してきたが
行政はバスの利用者の少ないこと(少なすぎること)は認識している
だが必ずこう言い付け加える
「乗車数だけで判断できない効果の存在も考えねばならない」
これは名古屋からの少しづつ利用者が増えてきている
長久手(名古屋)でいろんなイベントを行い知名度アップにも貢献しているというものだ
そして中日新聞の広告を出して湯谷温泉の客も増えた、、、と
この最後の中日新聞の広告というのは、夕刊だったと記憶しているが
(確か金曜日)新東名高速バスを利用して新城(三河東郷駅下車)に来た方々には
湯谷温泉の旅館からお迎えが来て、料金的にもサービスもお得になるという内容を告知したものだ
行政は効果が有ったとしているが、この新聞広告の掲載された時期のバス利用者を
市から提出されたエクセルデータでチェックしたことがある
すると、掲載された日の名古屋の利用者は目立った変化は無かった
その一週間後も二週間後も、とても効果があったとは言えない利用者数だった
(これはデータだけからの判断なので、いつか湯谷温泉の方に本当に効果があったのか聞きに行くつもり)
行政の言う「乗車数だけで判断できない効果の存在も考えねばならない」が有ったとしても
それだけの金額を使ってまで、その効果を評価すべきかは大いに疑問だ
ところで、この新東名高速バスというのは2016年にスタートした実証実験の行事で
定住人口の確保、 名古屋からの観光客等による交流人口の増加 を目的に実施され
実証実験は三年半で今年度が最後の年となる
要した費用については、初年度は7月から3月までで約6000万円
バスの購入と業者委託料が含まれており、現在バスの所有者は委託業者となっている
この費用は100%国の交付金で、このときはまだ良かった
ところが2年目以降は、全額市が負担する羽目になった
これは行政の手違いというか、国の方針の見誤りで、計画していて運行費用の半額がもらえなくなった
三年半続けるということで、二年目はまちづくり基金と市税から半々で約3600万円を負担
(実際は利用者不足により委託業者から不足料金を請求され、最終的には4000万円以上となっている)
この状態、まちづくり基金で半額、市税で半額は今年度の予算組まで続いている
「空気を運んでいる」と声が上がり、実証実験すらストップしたほうがいいのではないか
と議会報告会などで市民から声が出ることもあった
さて、法的に実証実験の途中でやめることはできるか?
と気になるところだが、委託業者との契約書には賠償金無しで途中でやめることはできるとある
(確か議会が継続の議決がない場合)
このように反対側の視点から見ていくと問題が多すぎる新東名高速バス事業だが
市は実はバス会社・旅行業者、バス利用者たちではない、純然たる外部の人々による
「市民モニター・アンケート」を行っている
継続的に同じ質問が繰り返されその変化を見ることができるが、少し前にもココであげたが
このようなグラフがある
このグラフの右から二番目は「どんなに便利になっても利用することはない」との項目だが
アンケート回答者は年々その数字を増加させている
先日市役所に行った時に、一年目と二年目の回答者は同じ人物で、三年目は入れ替わっていると
教えてもらったが、それなら尚更問題がありそうと思えてくる
市の予算案を提案する部署が、庁内で自分たちの都合の良い抽象的な解釈をおこない
こうした具体的な数字を軽視してしまいそうな雰囲気を、自分らはつい感じてしまうが
これから一体どうなるのだろう
議員さんは行政のチェック機関と言われるが、どうも新城市議会の現在は無条件に行政の言い分を聞く
追認機関となっているような印象を持ってしまう
この問題については、今後より具体的な市民活動の計画を考えねば、、、