パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

冬の旅

2024年03月12日 19時05分28秒 | 音楽

高校時代の音楽の時間、歌うのが好きだったのがシューベルトの「冬の旅」
一曲目のおやすみ、それからイタリア民謡の「帰れソレントへ」とか
トスティの「マレキアーレ」だ
後者は声をいっぱいに張り上げて歌うのが心地よかった
シューベルトはピアノ伴奏がとても魅力的に思えた

しかし、冬の旅はハンス・ホッターの歌うレコードを聴いてから
聴くのが辛くなった
そこには単色の風景が思い浮かび、絶望しかないようなイメージが浮かび
気楽に向かい合えない気がしていた

だから「冬の旅」は聞くことは多くなかった
だが不意に冬の旅を聴いてみようか!
という気になって、やはりハンス・ホッターのものを引っ張り出した
レコードはフィッシャー・ディスカウのものもあるが
音色の変化とか転調の効果があまりにも賢く思えて
無骨で真面目なホッターを聴いてみることにした


すると案外思い違いをしていたことに気づいた
ハンス・ホッターの声は思いの外良かった
良かったというより美しいと思えた
解釈がどうの、、という前に、素材としての声が良い
それは若い時には思えなかった点だった

そして、冬の旅はやはり傑作なのだろう、、
と当たり前の事実を今更感じた

「冬の旅」は実演ではラ・フォル・ジュルネでロシアのピアニストの伴奏で
聴いた気がするし、宗次ホールで女性の歌い手さんと
現代音楽の作曲家兼ピアニストの伴奏で聴いた
だがそれは残念ながらあまり感動するものではなかった記憶しかない

ということで、久しぶりの「冬の旅」の鑑賞は思いの外良かった

そういえば、10年ほど前、1月の冬の時期に郡山から会津若松に向かう列車のなか
外は雪景色で光は乏しく、曇天の窓の外は雪をかぶって木々は薄っすらと見えるだけ
それは幻の太陽の下での景色のようで、それらを見た時には
「冬の旅」の心象風景のような気がしたものだった
そしてその心象風景はとても美しかった

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書類があるというものの

2024年03月12日 09時06分55秒 | 市政、市議会に関することなど

行政の行為の正当性は手続きを守っていることで確保されるようだ
「手続きに瑕疵はない」
その一言で断定されたのが、少し前の出来事
でもよくよく流れをチェックすると、疑念が湧いても仕方ないことは多い

市はある企業から土地を購入することになった
建物があった場所は更地にして渡すことになっていた
渡す前には行政のチェックが行われる
これは当たり前のことだが、少し驚いたことがあった
チェックをしたという行為の証明となる書類は
何月何日に誰々が確認をした、、というだけの記録しかないのだ

実は引き渡しのチェックが行われる少し前に、議員さんがその現場をチェックしていた
その時議員さんは、更地できれいになっているはずの土地にコンクリート片とか
鉄筋が幾つか見えたらしい(聞いた話だが)
こんなのでは更地の条件に適さないから、善処してほしい
議員さんたちはこう指示してその日の役目を終えた

その何日か後、行政が検査をして確認書類が作成されたのだが
それには議員さんが指摘したところがちゃんときれいになっていたのか?
がわかる写真や処理した記述のあるものはない

素人としては写真を撮ってきれいな更地になっていることを確認できるものとして残すのが
普通のことだと思うし、議員さんのあのような指摘があったばかりなので
余計に気を使って、きれいな更地の状態を記録として残すのは当然だと思う
しかし、今のところ行政の細かな確認作業の内容とか写真はない
(少ししてそれらは出て来るかもしれないが)

このことで驚くのは、行政は手続きとか段取りを規定の方法で行えば
それで問題はないとされがちということだ
手続きがどんなにアバウトすぎても、それを行ったという事実だけが
正当性の確保につながるとは、、、

いろんな手続きは、その内容こそが問題となるべきで
例えばパブリックコメントではこれの募集を行ったという事実よりは
そのパブコメにどのような問題点が指摘されたかが重要だと思う
だが、大半のパブコメは行政のアリバイ作りに利用されてしまう
(市民説明会、パブコメはアリバイ作りの定番らしい)

なんだかな、、、
結局はアバウトな手続きでいろんなことが進んでいくのか
そんな気持ちにさせられた最近の思い

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