パンセ(みたいなものを目指して)

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わかるが、それでも、、、

2023年10月30日 09時27分11秒 | あれこれ考えること

その量に頭がついていけないが、この時期だからこそ読み続けている
「ユダヤ人」マックス・I・ディモント著

現在のイスラエル戦争は解決の糸口が見えない
これだけ犠牲者が多くなると憎しみとか報復の感情が優先して
理性的な手段は物足りなくなる人が多いだろう

複雑なイスラエルとパレスチナの歴史
現実的な解決のためには、辛い歴史への共感を含めて
どこまで遡って話を進めていけば良いのかと考えてしまう

いま起きていることの理由は〇〇のせいだ
〇〇もそもそもは△△があったからだ
その△△の事態も元を辿れば□□が原因だ

こんな感じで歴史を辿れば収集がつかなくなる
そのくらいややこしい困難な状況ということだ

日本人の田舎の何の力もないおっさんが
これらの本を読む意味があるのか?
自分でもそう思うが、少なくともこの本を読んでいる間は
それなりの充実感を覚えるのも事実だ

普通なら滅びてしまう民族が生き延びている理由を
彼らユダヤ人は自覚している
それは宗教の力というよりは習慣としての教育だ

モーゼの五書を拠り所とするトーラー
説話集を中心としたタルムード
論理的な思考を民族として持とうとする意欲
それらが実を結んでユダヤ人はノーベル賞の受賞者が圧倒的に多い

翻って日本はこうした教育に関心を寄せているのだろうか
一部の人たちの愛国教育とか歴史認識を独自なものとする傾向には
熱心になっている気もするが、リベラルアーツ的な総合的な教育は
果たしてどうなんだろう

この本を読んで驚きを覚えるのはユダヤ教もキリスト教も
実は思い込みと思われるような天の啓示から始まっているという点だ
思い込みの表現には怒りを覚える人もいると思われるが
ユダヤ教の元となったアブラハムも実質的にキリスト教を広めた
パウロも奇跡という名の天啓があったことから始まっている

疑い深い現代人の感覚からすれば
奇跡(天啓)の科学的な根拠は?
という問が浮かぶが、この問は問題視されないだろう

何かをなすには思い込みが必要!
といったビジネスにも通用しそうな人生訓を
ここで学ぶのは全くの筋違いだが
それでもいい意味での思い込みは必要だと思われる

それにしても、小さな文字でページ一杯に印刷され
その殆どが知らないことばかりの連続のこの本
ユダヤ人の苦難の歴史は理解できたとは言えないが
それでもその時々味わった苦悩は漠然とわかる

この「わかる」という感覚が「それでも」という言葉になるには
人はどれだけの経験をしなければならないのだろう

相変わらず、まとまらない話

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