季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

ルーシー・リー展

2011-02-10 16:15:20 | 手仕事 Handicraft
友達とランチしようと言う話になったときに、「良い展覧会あるから一緒に行こう!」と誘ってくれた。ルーシー・リー展。
何人かの知人が行ったと言うことを聞いていたので楽しみにしていた。

       

万博の民芸館で何回か観てきたけれど、陶芸って私にはなかなか分かりづらいなあと思っていた。
行ってみたら良かった。

ルーシー・リー氏はもともとオーストリアのウィーンに生まれて第二次世界大戦の時にイギリスに移住してそこでバーナード・リーチ氏とも出会って陶芸家として大成した人だ。その頃はウィーンの世紀末美術ユーゲントシュティールもイギリスのアーツアンドクラフツ運動も定着してその大いなる価値を確実にしていたものの、目新しさには欠けてきた頃である。

活動してしばらくはボタン作りなどで生計を立てていた彼女。
「バーナード・リーチに認められないと、ここでは作品が売れないのよ!」らしかった。
初めは彼の作風を真似てごつい作品を作ったりしていたみたいだけれど、その内自分のやり方を通すようになってそれが反対に認められた。

イギリスの陶器では華やかな白磁器も有名だけれど、バーナード・リーチ氏によるスリップウェアなどの無骨な感じの陶器も有名。彼女の作品はそのちょうど良い頃合の間の位置にあるように見受けられた。

その薄さや色合い、上に広がっていく曲線と下で支える点のような足。
繊細でいて素朴なその作風に惹かれた。
フリーハンドで描く細い線の交差。
反対の色が隣り合うその割合の絶妙なバランス。
銅の上薬の煌めき。
イギリスに居ながらも華やかなウィーンっ子の気質を失わない感じ。

作品展示の後にビデオ上映があって、そこで彼女自身の制作風景など見ることができたのだけれど、一番思ったのは「陶器って硬くて冷たいって言うイメージがあったけど、作っている時って柔らかいし、焼いている時はとてつもなく熱いよな。」と言う事だ。
あと、彼女は有名な作家さんになったのに工房には彼女しかいなくて一人で黙々と小さな部屋で小さな釜を使って焼いていたのも印象的だった。

陶器を観てあんなに心臓がドキドキしたりするなんて思わなかった。
自分では行こうとしていなかったし、美味しいパンの食べ放題ランチも紹介してくれて持つべきものは友達だなあと思う。

知らない世界の扉を開けてくれる私の周りの人たち。大事だなあ。





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