季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

言えない

2011-02-28 19:54:27 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブにて。

いい感じ。それぞれ自分の作りたいものに取り組んで程よく頭や体を使って、世界に一つの素敵なものを持って帰る。

作りながら出た話。
「ここに来てることは外の人には言えない。」って。
みんな言う。

職場にも、言ったら解雇されるって。
家族にも言っても分かってもらえない。「自分勝手な病気」とか言われて通院すら反対されたりする。クリニックに来てもらって先生から話を聴いて貰ってもこれだ。
または「内科かどっかに行ってる。」と思われてるって人も。だから毎日「今日も行くの?」って聞かれるらしい。
親戚にも「毎日何しとんねん。」って言われて説明しても「変な顔されるだけです。」で、もう説明もしたくなくなってきた。

回復が進んで外へと行動範囲を広げていってもなかなかその事は話せないらしい。

私にとってはこれは残念な事です。

まずここが「危険な場所だ」と思われているところ。そしてそんな所に行っている人は危険だと。
ここは基本的に「安全で安心に過ごせる場所」です。
そうでないと回復に向かえない。
そのために先生やスタッフ達がどれほどの事を意識してしているか。
私にしたら、病気を持っているのに無いふりをして病院に繋がってなくてどんどん深く負の人生スパイラルに陥っている人たちの方がよっぽど怖いです。

次に家族。これらの病気は(アルコール症だけでなくて摂食障害や対人恐怖症など)は家族の関係性の病気とも言われています。だからこそ家族は病院にかかっている一人を「恥」として距離を取ったり否定したりして自分を守ろうとするんだろうけど、本当はその家族が自分や家族間の関係性の不健康な面を認めてやり直そうとしたら劇的に本人の回復も早まると思われます。
そこが歯がゆい。

それから職場。もちろんこの不景気ですから少しでもリスクのある人を雇うのは不利だとされるのでしょうが、ここで彼らを理解して休養や職場復帰について考えて実行することは、その企業にとって長い目で見たときにプラスになるに違いないからです。
全員がまったくの健康で一日24時間働けて企業に人生を捧げる人じゃないとダメ、って世の中はもう終わりを告げている気がする。
一人の人生でも調子の良い時と悪い時があるし、いろんな正や負のイベントによっても左右される。パーフェクトなひとの60%しか働けない人もいるかもしれない。
日本の意識では沢山早く長く働ける、苦労を惜しまないのが最上とされている節があるけど、こんなことを何十年も続けていたら人も会社も壊れて当たり前だと思う。
日本と言う狭い国にいたらそれが普通だと思っても仕方ないけど、例えば昨年訪れたオーストリアでこの現状を述べても「それは健康に良くないよ。どうして休めないの?」と言われるばかりだ。

健康を害している人はもちろん、有能で力のある人もいつも精一杯じゃなくて適度に休んで調整しながら働いていくと、本当の意味でその会社にとって一番効率の良い勤務環境になるんじゃないかな?

私がいつも接している人たちを見ていて、私が思うことをそのまま発信する。
私が出来る事はこのブログで書くことくらいかなあと思って、少し書いてみました。

私はこのクリニックもここの人たちも好きだし、ここで起こっていることを素敵だと思っています。それを知ってくださる方がいたら、うれしい。





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