季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

初めての能

2013-04-20 21:49:45 | 暮らし Daily life
知り合いにチケットを貰って能を観に行った。
吹田市の浜屋敷と言うところにて。
阪急相川の駅から少し歩く。
大きな道を歩いても良かったんだけど、横の道に入って行った。すると昔の街道だったようなところに行きあたって、神社があったり古い日本家屋があったりしてなかなか風情がある。

浜屋敷、着いたらすぐにわかりました。素敵な場所でした。

       

会場に入るとおくどさんが並んでいる。こんなにあるって大きなお屋敷だ。

       

小さい能の舞台がしつらえてあります。

       

今日のタイトルは「能楽囃子の世界~能・人の世を寿ぐ祈り~」。お囃子を主に着物と袴での舞いでした。
衣装や面はありません。初心者にわかりやすいように能に関する話もしてくれてわかりやすかった。

能の歴史や演目の構成や楽器の説明など興味深かったです。
歌舞伎などの人に見せるために出来ている芸能と違って、もともとは神事などで行われていて神様に奉納すると言う目的で出来た物だと聞いて、バリ舞踊と同じだなあと思いました。友達がバリ舞踊をしているのでそれは聞いていたから。

一番初めが「翁(神歌)」と言うもの。これでもう度肝を抜かれました。
パンフレットのまま書きます。

◆翁は「能にして能にあらず」ともいい、能楽が成立する以前、祭事として執り行われた芸能の形を残した、いわば能のルーツといえるものです。この能にはストーリーはありません。易すなわち陰陽五行説に基づき、さまざまの仕掛けや呪術を駆使して、天下泰平・五穀豊穣・国土安穏を祈る能です。この能に限り訳者は数日間かけて精進潔斎し、出番直前も洗米、清め塩、お神酒などで身を清めて勤めます。
我々能役者にとって最も大切な曲です。今回は謡いと囃子で演じます。

と言う事です。
そして説明の方が「わけがわからないです」と言っていた通り、始まってみるとまさにわけのわからない構成でした。舞い、笛、小鼓と地歌のアレンジやバランスなどどこからどうなってるのかまったく。
600年前から日本に伝わる最古のミュージカルが能と言う事ですが、最古と言うより最先端、前衛的でさえありました。すごい、すごいです。なんだこれ?!

しょっぱなからやられた感満載です。それから有名な「高砂」これは威厳がある感じ。

そして「田村」坂上田村麻呂の舞い。これが勢いがあってかっこ良かった。能にターンやジャンプがあるって知ってました?私は知りませんでした。足を舞台で踏み鳴らしてかなりの迫力。

それに続く「羽衣」。これも圧巻でした。
天女が羽衣を隠されて天の舞いを見せると言う場面。能装束も面もないし、男の人が舞っているのですがもう初めに正面奥から前に進むところで背中がビリビリしました。(この背中ビリビリは能の演目の間はどれも結構してて、もうなんだかわからないけどすごく刺激を受けた。)
舞い手が向こうからこっちに歩いてくるとき(また小さい会場で近いので目の前で観れたんです)、ほんとに「この人浮いてる?」って思うような動き。ス~ッって平行に動いたんです。ほんとにこの世のものとは思えない動き。ちょっと怖いような。
説明でこれが一番能らしい演目ですと言っていた。あまり動きがないんだと、それでもその決まった動き、少ない動きの中の自由さや内側にグーッと入ってくる力を感じてほしいと言っていた。それがわかるよう。
しずかな動きの後ろでかなり激しい小鼓と大鼓、笛と太鼓の音、地歌の響き、それが舞い手でグーッと凝縮されてその見えない波紋が広がって伝わって行くような感じ。

ここで休憩。
おかしな感じ、なんと見てるとすごくお腹が空くのです。集中してるからかな?ぺこぺこ。
それでそこで柚子茶とおかきを出してくれていたので頂きました。ほっ。

その後短い演目が2つ続いて結構すぐにおしまいになりました。どれも迫力があって、特にさいごの「石橋」と言うのは「能のロックです」と言われた通りにビートが効いててのりのりでした。

能、伝統芸術だけど前衛的でジャズ的でロックでした。これはすごい、これが600年も昔に確立されてたなんてすごい。絶句です。

能の話はこの世とあの世の間の話しが多い。その通り帰りに一緒に行った娘と歩きながら「異世界体験したね~。」と話し合う。すごかった。能、これからまた機会があったら観に行きたいです。楽しかった。
お腹空いたので晩御飯はいっぱい作っていっぱい食べました。
Comments (2)
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