■大阪駅の多彩な車両たち
大阪にて所用があったのだが、早く着き過ぎたということで、時間まで、気の向くまま大阪駅にて車両撮影ということで、カメラを構えた。京都駅と同じく、様々な方面と東海道本線を結ぶ大阪駅には多彩な車両が次々とホームに滑り込んでくる。
JR西日本が誇る223系。1000番台と2000番台は東海道本線を、新快速として結んでいる。一部は敦賀を基点、多くは長浜から米原、彦根、野洲、草津を結ぶ琵琶湖線を通じて京都へ、そして高槻を筆頭に挙げるベットタウンを結ぶ京都線を快走して大阪へ、大阪から神戸線として尼崎、芦屋、そして神戸を結び、明石、加古川を通じて姫路にいたる神戸線、そして一部は播州赤穂までを結んでいる。
最高営業速度130km/h、転換式クロスシート車であるこの223系は、京都大阪神戸などの東海道本線を往く近郊電車の標準型といって過言でない地位を担っており、新快速は、名古屋を中心に東海道本線を走る313系電車とともに、乗り継ぎによっては(米原で乗り継ぐ)、浜松から姫路までの実に387kmもの距離を結んでいる。
221系。片側3扉、転換式クロスシート車として民営化後のJRが1989年に投入した車両。内装などは前述の223系の基本形といえる車両で、現在は東海道本線の快速、普通列車とともに、関西本線で運行され、奈良線や山陰線、阪和線、福知山線など運用の域が広がっている。きくところでは、この221系の内装が転換式クロスシートとされた背景には、阪急、京阪、近鉄、南海、山陽電鉄などのクロスシート車両群への対抗があったとされる。
ロングシート車として運行される207系(右)と、数年前から導入されている321系(左)。207系は1991年より導入開始、東海道本線、関西本線、阪和線、福知山線などで運行されている。321系は2005年より導入が開始され、207系とほぼ同じ路線で運行されている。異なるデザインだが、運用思想から来る設計の共通性が垣間見える。
特急サンダーバード号の大阪駅到着。683系特急車は160km/hでの営業運転を可能とする韋駄天、いや、高性能車で、後述する特急雷鳥号とともに金沢と大阪を結んでいる。新幹線は到達していない金沢とを結ぶ特急として、写真の車両は連結された貫通扉を有する先頭車が二箇所で結節しており、三連16両という長大な編成で運行されているのがみえるだろうか。
683系特急車の貫通車とともに並ぶのは223系0番台。223系は京橋行きの関空快速と表示があり、京都方面から関西空港を結ぶ空港特急はるか号とともに、関西国際空港と大阪中心部を結ぶ快速電車として活躍している。それにしても、223系といっても、ライトの形状が違うだけでここまで印象がかわるものか、と思わされるデザイン。
関空快速と紀州路快速を連結した車両。この車両は転換式クロスシートを採用しているが、二列×一列方式の転換クロスシート車である。空港快速という性格上、スーツケースなども大型の荷物を持った旅客輸送に対する対応と、大阪中心部を貫く快速電車という性格上、ラッシュ時の混雑に対応するという観点から採用された設計といわれている。写真は京橋行き。
特急雷鳥号。写真の先頭車輌はいわゆるパノラマグリーン車。パノラマカーと呼称されることもあるようだが、名鉄7000形電車を知るものとしては、パノラマカーというにはやや視界が狭いのでは?と。485系の改造なのだから、運転台を上に置いたまま客席を前面まで出してしまう方式をやってみたら良かったかも知れない。
案内表示板で、もう少し先とされていた大阪終点の雷鳥号到着。どうやら、回送になってからの発車順序を表示していたようで、あわててホームを移動したときには、485系は、雷鳥の表示から回送の表示に切り替え終わったところだった。回送、と出ているとやや味気ないが、隣に同じ国鉄型車両である大阪環状線の103系電車が停車していると、なかなかいい絵になる。
近代化して201系に。次々と入れ替わる大阪環状線のホームに面しているだけに、国鉄型車両も次々と入線してくる。ああ、これで485系の表示が雷鳥のままであったらなあ、と。103系、201系共に国鉄の一時代を築いたロングシート通勤車。そして485系も国鉄特急の代名詞と呼ばれたほどの時代を築いた名車だ。
特急北近畿号。新大阪(一部は京都)から大阪を経て福知山、そして豊岡、城之崎温泉に至る特急。京橋へ向かう201系(ちょっと電柱が邪魔なのはご愛嬌)とともに、大阪を前に国鉄時代が出現している。特急料金を支払うには、それなりのサービスの画一性が欲しい、と、ホームで待機する隣の新型特急を見ながら自分の乗る国鉄時代の特急を眺めたことは、旅好きや地方に多く仕事で移動する方が一度は持たれただろう心情かもしれないが、乗ってみると、これはこれで味があったりする。
車両は183系800番台電車。雷鳥に運行されている485系と非常に良く似ているが、それもそのはず、485系の交流電器機器を取り外した車両とのこと。この車両は前面は貫通扉を有しているタイプで、スライド観音開き式に開閉させ、連結することができる。
大阪から神戸、姫路を経て鳥取と結んでいる特急はまかぜ号。電化されていない区間を走ることから、キハ181系気動車にて運行されている。このキハ181系は、国鉄時代に非電化区間の特急車として活躍した車両であるが、聞くところでは現在運行されている車両は、臨時を除けば、この特急はまかぜ号くらいのものらしい。
京都駅から、大阪、姫路を経て鳥取にいたる智頭急行の特急スーパーはくと号のHOT7000系気動車が大阪駅に到着する。特急はまかぜ号と似た経路を走行するが、京都から鳥取に行く場合は、経路などを含めると特急はまかぜ号よりも、この特急スーパーはくと号の方が早くてやや安価、とのこと。
この少し後には、寝台特急日本海号が到着する。以上のように、大阪駅でも多彩な特急車両や通勤車両などをみることができる。
HARUNA
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