北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ありがとう Weblog北大路機関アクセス解析開始より45万アクセス突破

2008-05-26 18:35:48 | 北大路機関特別企画

■荒天時の自衛隊公式行事

 本日1700時の時点で458489アクセス、45万アクセス突破記念としてはやや遅れた印象だが、多忙ゆえ、ご容赦の程を。改めまして、多くのアクセス、本当にありがとうございます。さて、今回の特集は悪天候の際の自衛隊公式行事。

Img_7577  晴れ渡った空に描かれる純白の航跡、岐阜基地航空祭におけるブルーインパルス飛行展示。雲ひとつ無い大空に描かれるスモークは、晴天の航空祭ならではのもので、航空祭を天気が祝っているというべき天候だ。航空祭のみならず、海上自衛隊の展示訓練や陸上自衛隊の駐屯地祭、パレードなど、やはり式典は晴れが良い。一方で、降水量は世界でも上位に位置する日本、農業や工業用水には恵みの雨ではあるけれども、やはり式典上空だけは青空を期待したくなってしまう次第。

Img_2202_1  日曜日の大久保駐屯地祭、写真は50周年の行事の様子。別に当方は雨天予報で行かなかったのではなく、単に“本業”が忙しかったことで、楽しみにしていた奈良も大久保も行くことができなかったのだが、予定通りに実施されたとのこと。一方、先日の大津も含め雨天予報で断念された方も多いのではないか。

Img_0713  陸上自衛隊今津駐屯地祭。二個戦車大隊が駐屯する滋賀県湖北の駐屯地祭として定評がある。近年、速達性能やメーカーの新開発シフト、そして小生の場合いちばん大きいのだが現像料の関係でデジタル一眼レフカメラに移行している。他方で、これはフィルム式カメラよりも雨天の水滴に弱いという脆弱性を有している。これは、カメラ自体の電子部品が増加した点と、映像を映すCCD素子が水に弱いという構造的な点に起因する。

Img_0911  デジタル一眼レフを手に構えつつ、天気予報ではほぼ確実に雨天、というか、すぐ北の福井県には大雨洪水警報が出始めている中で焦燥感とともに撮影を続けていたが、天佑と神助というべきか、訓練展示の模擬戦終了まで雨滴が降らなかったことだが、その後、装備品展示のためにAH-1Sが駐屯地に着陸する頃にはこの通り。この写真は車両整備施設の縁で雨宿りしつつ撮影したもの。蛇足ながら、このとき並んで撮影していたのが、C.ジョニー氏、T氏、文明氏一行で、このとき初対面、雑談とかしていた。

Img_6359_1  写真は2007年の豊川駐屯地祭。台風接近下という状況。式典に向かうべく乗り換えた名鉄電車の車窓には雨が叩きつける。これほどの雨ならば、ということで電話にて確認してみると「晴天行事を予定しています」、と。なるほど、このくらいの雨だと晴天行事になるのも仕方ないか・・・、え?晴天?・・・、ホント?と。疑心暗鬼で展開してみると物凄い降水量ではあるのだが、本当に式典は予定通りと進められた。

Img_6376  チェストリグのようにカメラバックを胸に撒きつけて、ここに傘をさしてみると両手が空く。スタンド席では傘は後ろの人に迷惑になるので、一通り部隊集結や式典の様子を撮影した後、スタンド席を降り撮影を続行。確かに、靴とズボンの下は濡れてしまったが、カメラ機材は問題無かった。戦闘職種の部隊が駐屯しているということで、観閲行進から訓練展示まで全て実施、傘がさせれば、問題は無かったりすることも。

Img_6766  傘が使えないこともある。代表的な事例は富士総合火力演習。スタンド席最上段はともかくとして、特にゴザ席は後ろの人の視界を完全に塞いでしまうので合羽やポンチョ、もしくは気合で頑張るしかない。霊峰といわれるだけあり富士は天候が変わりやすいことでも有名、富士学校の人は、ああ、アノ雲が出てるってことは30分以内に・・・、と不穏な会話をしていたりする。カメラレインコートを被せるか、もしくはビニールで自衛手段を講じる。

Img_2796  物理的に傘がさせないことがある。2006年の東千歳駐屯地祭がそうだった。理由は突風。中止にならなかったのが不思議なくらいであるが、機甲部隊に雨天中止はないというような印象。豪雨を蹴散らしての精強な様子が撮影出来たが、カメラには・・・。実は小生のカメラもこの時は大丈夫だったのだが、一ヵ月半後に修理行きとなった。

Img_2851  雨天でも、雨天式典会場にて実施されることがある。2007年の桂駐屯地祭では、物凄い雨天ではあったものの、雨天会場として補給処ならではの巨大倉庫を利用した。中部方面後方支援隊が駐屯している駐屯地であるが、これは1942年に建築された倉庫。現在の建築基準法では建築できないほどの大きな建築物であり、気になっていたのだが、一度みてみたいという、つまり中に足を入れることが適った訳だ。

Img_3014  雨天会場で実施する事例は、日曜日の大宮駐屯地祭なんかもそうだったようだ。桂駐屯地祭は、広い会場のお陰で見学者もゆったりと珍しい倉庫での駐屯地祭を楽しめたが、大宮駐屯地祭の雨天会場は面積に限界もあったといいことで入場制限が行われたとのこと。2004年度の木更津駐屯地祭も式典は屋内会場(格納庫)で実施(祝賀飛行や機動飛行は実施)されている。

Img_3289  雨天から転じて、当日に晴天となっても、実は駐屯地祭を行う実施部隊は大変なのだ。グラウンドに水溜りがあると、式典には支障となるのだが、ここで驚いた話がある。隊員さんから聞かせてもらったのだが、グラウンドの水溜りは可能な限り、バケツとスポンジを駆使して水溜りを排除するとのこと。横一列になって水溜りを取り除くという発想には驚かされた次第。

Img_3644_2  晴天であっても、油断できない。気持ちの良い朝と共に式典を行っているのは2005年の守山駐屯地祭。第10師団創立記念行事であるが、この日は、記載したようにやや雲はあるものの晴天で、前に展開の今津駐屯地祭と比べれば駐屯地祭日和の天候であった。伊丹駐屯地祭(中部方面隊創立記念行事)の規模よりも、観閲行進に参加する車両が多彩であり、まだ第3師団に軽装甲機動車が1輌も導入されていなかったこともあり、期待は膨らむ。

Img_3759   しかしながら、観閲行進準備の号令が掛かる頃には雲が空を覆い、文字通り傘一色のスタンド席。高機動車、軽装甲機動車、各種ミサイルに低空レーダー、対砲レーダーなどの各種レーダー、特科火砲、対空対戦車ミサイルなどの各種ミサイル、そして施設器材、戦車などが雨天の中を行進する。

Img_3911  雨天の観閲行進なのだが、なんと訓練展示の模擬戦、状況開始の喇叭が響き渡る頃には天候は回復した。期せずして訓練展示会場となったグラウンドは雨に濡れた状況にあり、戦車や装甲車が走り回っても土煙や砂埃が立つことはなかった。雨天ということで、がっかりして帰路につく方もみえたが、場合によっては天候が回復することもあるのだ。

Img_4859  悪天候の影響をもろにうけるのは航空祭。2005年の岐阜基地航空祭はその典型のような事例。カメラに水が入ったという話も聞くが、天候が悪いと飛行展示は不可能となってしまう。T-1,T-2練習機最後の航空祭ということで、最後まで会場に踏みとどまるも、一部の救難展示や機動飛行が行われるだけに留まっていた。気持ちは会場の皆さん一緒で、風速を計る吹流しを見守っていた次第。

Img_1818  ただし、天候は変わりやすいのだけれども、逆も然りで、小松基地航空祭なんかは、毎年のように雨天の予報が出されているのだけれども、天候が回復し、最後には青空が顔をのぞかせるという機会がある。これだけは運次第なんだなあ、と思ったりする。なお、小松基地航空祭では巨大照る照る坊主が会場を見守っている。御利益というべきか、皆さんを見かけられたら手を合わせることをお薦めする。

Img_6954  天候不順が致命的な影響を及ぼすのは体験航海や展示訓練。この場合、安全を考えて中止される。場合によっては基地ではない港湾で実施される際に入港もしないことがある。また、実施当日が快晴でも展示訓練の場合は、2007年の呉地方隊展示訓練のように前日の予行が出来なかった場合、二日間のうち、第一日を予行にあてることで結果的に中止されるということもあり得る訳だ。

HARUNA

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