北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

日米印共同訓練マラバール14、艦艇7隻等参加で四国南方沖縄東方海域にて開始

2014-07-26 23:18:32 | 防衛・安全保障

◆対潜・対水上・対空・臨検・捜索訓練など実施

 防衛省によれば、海上自衛隊は日本を親善訪問中のインド海軍及び在日米海軍との間で日米印共同訓練マラバール14を開始しました。

Inimg_7740 この日米印共同訓練マラバール14は海上自衛隊の戦術技量向上とともにアメリカ海軍とインド海軍との連携要領の強化を図る目的で実施され、訓練期間は24日から来週の30日まで展開、訓練実施海域として四国南方海域から沖縄東方海域にかけ設定されるとのこと。

Inimg_4689 統制官は海上自衛隊から、第2護衛隊群司令岩崎英俊海将補、アメリカ海軍からは第七艦隊第70任務部隊司令MCモントゴメリー海軍少将、インド海軍からは東部艦隊司令官アトゥールクマールジェイン海軍少将が、それぞれ統制官として任務にあたります。

Inimg_3577 参加艦艇は、ヘリコプター搭載護衛艦くらま、ミサイル護衛艦あしがら、米海軍原子力空母ジョージワシントン、ミサイル駆逐艦ジョンマッケーン、インド海軍よりミサイルフリゲイトシヴァリク、ミサイル駆逐艦ランヴィジェ、補給艦シャクティ、以上が参加するほか、艦載機と海上自衛隊より救難飛行艇US-2,更にP-3C哨戒機が参加すると発表されました。

Inimg_3576 訓練内容は対潜戦闘訓練、対水上戦闘訓練、対空戦闘訓練、臨検訓練、捜索訓練など。いわゆる海上戦闘の主要状況と救難や非戦闘戦域訓練を行う事となっており、日米印の三ヶ国が日本近海において本格的な海上戦闘訓練の実施は非常に稀有な事例と言えるかもしれません。

Inimg_6584  インド海軍は中国海軍のベンガル湾制海権掌握を視野に含めた進出や中越間での紛争化している南シナ海島嶼部武力奪取による海上交通路閉鎖を警戒し、南シナ海沿岸諸国と共同した定期哨戒等の実施を検討しており、この点で海洋の自由航行を共通利益とする日米印は協同できるといえるでしょう。

Inimg_3607 他方で、現代の先頭は海上戦闘は無論のこと全ての先頭において戦域情報優位が戦果と勝敗を左右します。このために情報連携とデータリンクが海上戦闘における高い重要性を有しているのですが、データリンクと情報共有は平時からの練成が無ければ単純に行えるものではありません。

Inimg_4892  日米間ではデータリンク方式を共通化し、全海上自衛隊と全米海軍との情報共有などは可能となっていますが、日印間ではこうしたことは日常的に行われておらず、この点で海上戦闘訓練の実施は戦略的に大きな意義がありますし、政治的な象徴ともある、といえるでしょう。

Inimg_6622 他方、今回の訓練について。佐世保にてやはり遠征し当方と並び撮影されていた方、楽しい雑談のさなか、インド艦隊の行事予定に空白がある事をお気づきになり、もしかしたらば日印での海上演習が行われるのではないか、と推測された方が居ました。実際、そうなりました訳で、経験からの推測が見事的中したかたち、驚きました。また、どこかでお会いできると幸い。

北大路機関:はるな

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