■航空機動旅団普通科連隊
航空機動旅団普通科連隊、その編成は普通科中隊を戦闘基幹部隊とし、普通科中隊を増強普通科中隊、中隊戦闘隊として増加配備部隊を合わせ戦闘展開する方式を採ります。

航空機動旅団と云いますと、第1空挺団の様に輸送機により全ての装備品を空輸する、という方式を思い浮かべられるかもしれませんが、この場合、ヘリコプターから降着後、ただの軽歩兵部隊となってしまいます、そして車両を空輸する空輸能力は膨大となります、しかし、空中機動に拘らず航空機動力を活かすというかたちで、第一線の近接戦闘部隊が上空から戦闘ヘリコプターによる火力支援を受けつつ、多用途ヘリコプターによる補給連絡線の維持、輸送ヘリコプターによる戦術機動を組み合わせ運用する方式ならば、非常に機動力を高める事が出来ます。

普通科部隊はあらゆる機動力を応用し全ての地形を克服し、近接戦闘においては骨幹戦力となる部隊です。その為の編成として、普通科連隊の編成は本部管理中隊、4個普通科中隊、という編成を基本とします。これは現在の師団普通科連隊から重迫撃砲中隊を省いた編成で、重迫撃砲については本部管理中隊重迫撃砲小隊が装備するほか、普通科中隊の中隊本部へ重迫撃砲班を置き2門程度を分散運用する、という方式、これらの併用を行う事も可能でしょう。

この重迫撃砲を第一線中隊の中隊本部へ直接配備するとの方式は意見特殊な手法に見えるものではありますが、陸上自衛隊では実際に、第4師団対馬警備隊、西部方面隊隷下の西部方面普通科連隊隷下の中隊などで実際に行われている方式です。一方現在の旅団普通科連隊と比較した場合、普通科中隊が旅団普通科連隊では3個中隊編成をとりますが、この案では4個普通科連隊を基本としていまして、編成規模としては若干大きくなっています。

中隊は戦闘基幹部隊ではありますが、中隊単体での戦闘能力は限界があります。そこで中隊戦闘隊、若しくは中隊戦闘群という表現にて提示している編成案は、普通科中隊に増強普通科小隊を組み込む編成を構想するものです。普通科中隊は4個中隊を基幹とする、と明示しましたが、この内1個普通科中隊は軽装甲機動車を装備し、乗車戦闘を基本とし機動運用とする。

地域制圧には下車戦闘が不可欠です、このため3個普通科中隊は四輪駆動軽装甲車としてこれまでに明示しました小型の小銃班用装甲車、若しくはその配備までの時間を要する場合には高機動車を小銃班用機動車両として運用します。必要に応じて山間部や地形踏破に装甲車両が最適とは言い難い状況では、下車戦闘により錯綜地形と山間部を、更には人員のみ戦術的な空中機動という選択肢も考えられうるかもしれません。

四輪駆動軽装甲車という装備は、82式指揮通信車の四輪駆動型試案を念頭として、3t半トラック、当時の73式大型トラック操縦資格を有する隊員は全員運転できる車両とし、装甲戦闘車のような乗車戦闘能力を念頭としないものを提案していましたが、これは操縦要員を最小限度と出来るため、小銃班の大半の人員を下車戦闘に応用できることとなります。こうすることで、戦略機動時の不期遭遇や陣地間の交通壕の代わりとして人員を防護しつつ機動が可能となるのです。

軽装甲機動車ですが、この装備としての最大の特色は、小銃班を複数車両に分散運用させる点であり、7名編成の小銃班であれば対戦車組と機関銃組を分散運用、当初10名編成の小銃班が運用されていた当時はその小型装甲車として軽装甲機動車が研究されていた時代には3両での分散運用が念頭とされていました、即ち、装甲車両は従来下車展開する事で小銃班を装甲車から火力基点を分散させ地域線量や突撃等に対応していましたが、軽装甲機動車は一個班を乗車させたまま三箇所へ分散する事を念頭としていた訳です。

その上で小銃小隊を考える場合、小隊隷下を3個班として小隊本部を置く場合、小隊は3個班が各2両の軽装甲機動車を運用し小隊本部車両を合わせ7両から構成される事となります、7両が各分隊軽機関銃と軽対戦車誘導弾により乗車戦闘を展開する場合の能力は小隊とはいえ侮る事は出来ません。そこで、四輪駆動軽装甲車か高機動車により機動する普通科中隊へ、この軽装甲機動車小隊を増加配備する場合、戦術的な運用の幅が大きく広まる事となるでしょう。一個中隊が中隊戦闘隊や中隊戦闘群として同一行動をとる際に、装甲車両が二種類存在する事は後方支援の面で不利は生じるものではありますし、更に戦闘損耗や機動時の不具合頻度を考える場合について。

これは指揮官裁量の立場から考えますと、単一車両よりも戦術の幅が増えるわけです。二種類の車両が存在する事は例えば複数車両が損傷する際にどの車種が損傷するかにより影響は変化するものではあります。この不具合を見込んだうえで、二種類を併用する提案の背景には、機動力を維持し、速度の有する戦術展開全般への好影響を勘案した上での視点で、装甲車両数では二個中隊に匹敵する車両数を有している、いわば縮小大隊としての能力を持つ一方、増強中隊規模の兵站所要での任務遂行が同時に可能、という利点がある。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
航空機動旅団普通科連隊、その編成は普通科中隊を戦闘基幹部隊とし、普通科中隊を増強普通科中隊、中隊戦闘隊として増加配備部隊を合わせ戦闘展開する方式を採ります。

航空機動旅団と云いますと、第1空挺団の様に輸送機により全ての装備品を空輸する、という方式を思い浮かべられるかもしれませんが、この場合、ヘリコプターから降着後、ただの軽歩兵部隊となってしまいます、そして車両を空輸する空輸能力は膨大となります、しかし、空中機動に拘らず航空機動力を活かすというかたちで、第一線の近接戦闘部隊が上空から戦闘ヘリコプターによる火力支援を受けつつ、多用途ヘリコプターによる補給連絡線の維持、輸送ヘリコプターによる戦術機動を組み合わせ運用する方式ならば、非常に機動力を高める事が出来ます。

普通科部隊はあらゆる機動力を応用し全ての地形を克服し、近接戦闘においては骨幹戦力となる部隊です。その為の編成として、普通科連隊の編成は本部管理中隊、4個普通科中隊、という編成を基本とします。これは現在の師団普通科連隊から重迫撃砲中隊を省いた編成で、重迫撃砲については本部管理中隊重迫撃砲小隊が装備するほか、普通科中隊の中隊本部へ重迫撃砲班を置き2門程度を分散運用する、という方式、これらの併用を行う事も可能でしょう。

この重迫撃砲を第一線中隊の中隊本部へ直接配備するとの方式は意見特殊な手法に見えるものではありますが、陸上自衛隊では実際に、第4師団対馬警備隊、西部方面隊隷下の西部方面普通科連隊隷下の中隊などで実際に行われている方式です。一方現在の旅団普通科連隊と比較した場合、普通科中隊が旅団普通科連隊では3個中隊編成をとりますが、この案では4個普通科連隊を基本としていまして、編成規模としては若干大きくなっています。

中隊は戦闘基幹部隊ではありますが、中隊単体での戦闘能力は限界があります。そこで中隊戦闘隊、若しくは中隊戦闘群という表現にて提示している編成案は、普通科中隊に増強普通科小隊を組み込む編成を構想するものです。普通科中隊は4個中隊を基幹とする、と明示しましたが、この内1個普通科中隊は軽装甲機動車を装備し、乗車戦闘を基本とし機動運用とする。

地域制圧には下車戦闘が不可欠です、このため3個普通科中隊は四輪駆動軽装甲車としてこれまでに明示しました小型の小銃班用装甲車、若しくはその配備までの時間を要する場合には高機動車を小銃班用機動車両として運用します。必要に応じて山間部や地形踏破に装甲車両が最適とは言い難い状況では、下車戦闘により錯綜地形と山間部を、更には人員のみ戦術的な空中機動という選択肢も考えられうるかもしれません。

四輪駆動軽装甲車という装備は、82式指揮通信車の四輪駆動型試案を念頭として、3t半トラック、当時の73式大型トラック操縦資格を有する隊員は全員運転できる車両とし、装甲戦闘車のような乗車戦闘能力を念頭としないものを提案していましたが、これは操縦要員を最小限度と出来るため、小銃班の大半の人員を下車戦闘に応用できることとなります。こうすることで、戦略機動時の不期遭遇や陣地間の交通壕の代わりとして人員を防護しつつ機動が可能となるのです。

軽装甲機動車ですが、この装備としての最大の特色は、小銃班を複数車両に分散運用させる点であり、7名編成の小銃班であれば対戦車組と機関銃組を分散運用、当初10名編成の小銃班が運用されていた当時はその小型装甲車として軽装甲機動車が研究されていた時代には3両での分散運用が念頭とされていました、即ち、装甲車両は従来下車展開する事で小銃班を装甲車から火力基点を分散させ地域線量や突撃等に対応していましたが、軽装甲機動車は一個班を乗車させたまま三箇所へ分散する事を念頭としていた訳です。

その上で小銃小隊を考える場合、小隊隷下を3個班として小隊本部を置く場合、小隊は3個班が各2両の軽装甲機動車を運用し小隊本部車両を合わせ7両から構成される事となります、7両が各分隊軽機関銃と軽対戦車誘導弾により乗車戦闘を展開する場合の能力は小隊とはいえ侮る事は出来ません。そこで、四輪駆動軽装甲車か高機動車により機動する普通科中隊へ、この軽装甲機動車小隊を増加配備する場合、戦術的な運用の幅が大きく広まる事となるでしょう。一個中隊が中隊戦闘隊や中隊戦闘群として同一行動をとる際に、装甲車両が二種類存在する事は後方支援の面で不利は生じるものではありますし、更に戦闘損耗や機動時の不具合頻度を考える場合について。

これは指揮官裁量の立場から考えますと、単一車両よりも戦術の幅が増えるわけです。二種類の車両が存在する事は例えば複数車両が損傷する際にどの車種が損傷するかにより影響は変化するものではあります。この不具合を見込んだうえで、二種類を併用する提案の背景には、機動力を維持し、速度の有する戦術展開全般への好影響を勘案した上での視点で、装甲車両数では二個中隊に匹敵する車両数を有している、いわば縮小大隊としての能力を持つ一方、増強中隊規模の兵站所要での任務遂行が同時に可能、という利点がある。
北大路機関:はるな くらま
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