北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.02.04-2023.02.05)

2023-02-03 20:01:42 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 節分という事で鬼を撮影して参りましたが皆様この寒い最中にいかがお過ごしでしょうか。

 今週末も自衛隊関連行事は行われません、ただ、今月から伊勢湾機雷戦訓練が開始されています。伊勢湾機雷戦訓練は、舞鶴展示訓練のような後方展示訓練ではなく、通常の海上自衛隊訓練なのですが、陸奥湾機雷戦訓練や錦江湾機雷戦訓練とおなじように多数の掃海艇と掃海母艦などを展開して行う訓練です。そして多くは四日市港などに寄港するのです。

 掃海艇、護衛艦と比べれば小型で、とおもわれるでしょうが伊勢湾機雷戦訓練は先ず集まる掃海艇の数が非常に多く、展示訓練でも、またあの観艦式でもこれだけの掃海艇は集まりません。そして、こちらは海上保安庁の航路情報などで確認するのですが、一斉出航や訓練終了に伴う一斉帰港は、多数の掃海艇行き来しこちらに向かう、迫力はなかなかです。

 改正ソーラス条約、テロ対策としての港湾管理強化により、港湾の散策は開放されている埠頭なのか、立ち入りが制限されている埠頭なのかを慎重に調べる必要がありますし、荷役作業のおこなわれていない埠頭となりますと、絶対大丈夫といえるのはポートタワー、それ以外は個別を調べる必要がありますが、内容的に調べてみる価値はあるでしょう。

 すがしま型掃海艇などは、まだまだ新しい掃海艇、とわたしなどは思ってしまうのですが、木造船体を採用した掃海艇は機雷に対して高い性能を持つものの、木造船体ゆえに老朽化も速く進み、意外と耐用年数は長くはありません、母港に憩う様子は撮影が簡単ですが、特に航行している掃海艇、自衛艦艇というものは、おもったほど撮影できないのですね。

 ひらしま型掃海艇は、木造船体ですが船体をそのままFRP構造とした掃海艇えのしま型が続いて建造され、こちらは船体寿命も長く一定期間長期にわたり運用されることとなります。ただ、形状は同じなのですが逆光などと重なりますと、FRP製船体と木造船体のちがいが如実にわかるものとなっていまして、こちらもいまだからこその情景というものです。

 出航の様子もなかなかの迫力なのですが、入港の様子は、こちらがわに多数の掃海艇が向かってくる様子、角度と時機をあわせれば単縦陣のように構図が決まる瞬間もありまして、観艦式の中止や一般公開中止が相次ぎ、毎年各地方隊が行った展示訓練が、昨年の舞鶴での実施を除けば十年近く中止が続く中、艦隊行動を陸上から撮影できる機会は貴重です。

 もがみ型護衛艦へ。今後掃海艇の任務は掃海隊群に配備される護衛艦もがみ型により置き換えられることとなりますので、伊勢湾機雷戦訓練も維持されるとしたならば、すがしま型掃海艇の並ぶ様子は将来みられなくなり、もがみ型護衛艦が多数埠頭にぎっしりとこう並ぶ様子にとってかわるのでしょう。それはそれで見てみたい気もするのですが。

 FFM多機能護衛艦の掃海は機雷掃討方式に限られ、水上戦闘艦による機雷掃討はオーガニック方式とよばれるのですが、この方式では確認掃海という、特定の艦艇が航行しても機雷が爆発しないか、という、海域の機雷すべてを除去するという現在の掃海方式とは異なりますので、可能性として、もがみ型はこういう訓練に参加しない可能性もある。

 二月の伊勢湾、鈴鹿山脈が雪化粧している様子などは幻想的で遠景に眺めても美しいのですが、しかし撮影に行かれる方で留意いただきたいのは、ものすごく寒い、ということです。出航は朝早い時間にも行われますので、寒い時間帯、防寒具はこれでもかというほどにあった方がよいかもしれません、そして改正ソーラス条約のしたしらべも含めご準備ください。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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反撃能力にアメリカ供与は望めない-ミサイル技術拡散防止レジームを踏まえ数万発の備蓄を

2023-02-03 07:01:42 | 国際・政治
■先に調達すべきものがある
 反撃能力は少しでも国土を冒されれば相手本土に向け最初に使う打撃力であるのか限定戦争を全面戦争に拡大させないよう突き付ける抑止力なのか、という視点から。

 自衛隊が導入する反撃能力、現在のウクライナ情勢を見ていますと留意しなければならない非常に大きな一点が有る事に気付かされます、それは“反撃能力”として自衛隊が導入するミサイルは、射程が大きく“ミサイル技術拡散防止レジーム”に抵触する為に、自衛隊が保有する分を全て撃ち尽くしたとしても、補填にアメリカを頼れない、ということ。

 ミサイル技術拡散防止レジーム、これはもともと核軍備管理の一環として、核兵器の運搬手段が安易に世界に広まらないように、という枠組です。日本はPSI大量破壊兵器拡散防止イニシアチヴの草創期から賛同しておりPSI訓練そのものが日本で行われ、横須賀が大量の外国艦艇により一般公開が大行列になった事さえ有りました。これはカンケイないね。

 自衛隊が充分なミサイルを備蓄すれば良い、ただこれだけなのですが、反撃能力整備は自衛隊が求めたものではなく、政治がこうした防衛力が必要であるとして自衛隊に命じたもの、そして、現在自衛隊の保有する地対艦ミサイルを反撃能力に置換える想定で射程2000km程度のものを2000発程度を想定しているのですが、この概算根拠が不明なのです。

 オペレーションリサーチをおこなっていない、これは政治が決定した為に、具体的に日本が行う反撃がどの程度の効果を期しているかを政治が明らかにしない為、自衛隊も“具体的にこの程度の備蓄数が必要だ”という数字が算出できません。もちろん弾頭が戦術核ならば2000発あれば十分すぎますが、そんな計画は皆無であり通常弾頭では全く足りない。

 ウクライナへ撃ちこまれたロシア軍ミサイルは6000発を超えており、多数の自爆用無人機も投入されていますが、意気軒昂、とはこの事でウクライナの戦争継続世論は全く不動です、つまり自衛隊が整備するミサイルは2000発は勿論、6000発でも全く足りない、という事を示しています。もちろん、無限に整備しろとは言いませんが、相手と同数は必要とおもう。

 反撃能力を否定するものではありません、しかし明白に否定したいのは反撃能力整備の為に戦闘ヘリコプターやMLRSを全廃しリソースを継ぎこんでいる現状です。有事の際に反撃能力は輸入で補填できない、そして限定戦争で開戦したとしても相手へ策源地攻撃を行えば、相手も日本の指揮中枢への策源地攻撃を行うでしょう。全面戦争へ拡大を意味する。

 GDP2%に防衛費を拡大するならば、MLRSはM-270全廃するのは構いませんが新型のM-270A2を91両調達しましょう、AH-64Dを全廃するのは賛成ですが60機のAH-64Eを導入しましょう、本州と九州の師団旅団から戦車を全廃するのは反対しませんが、第2師団一個分くらいの戦車や装甲車を事前集積船か九州の陸上事前備蓄施設に集積しましょう。

 限定戦争を加えられた際に反撃能力、。今の政府が想定する反撃能力は、“上陸した相手に反撃する”能力ではなく、“上陸した部隊の原隊と指揮を出した場所”を攻撃する能力であり、限定戦争を加えられれば全面戦争に拡大させる以外選択肢の無い方針です、これには明白に反対します、GDP2%に相応しい従来型の国土防衛戦力を、整備せねばなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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