北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ロシア軍ウクライナ侵攻開戦一年【1】開戦前夜の緊張下,ロシア軍侵攻は無いと断言した識者は猛省すべきだ

2023-02-11 20:16:50 | 国際・政治
■2022年2月24日全面戦争
 あの日、限定戦争ではなく全面戦争が始まった。ロシアのこじつけた開戦の口実には日本も当て嵌まり次の標的は日本の可能性も含まれる事に戦慄を覚えた。

 ロシア軍ウクライナ侵攻から間もなく一年となります、ここまでの大戦争となるようには当初思っておらず、しかしロシア軍が全ての軍管区から師団や旅団を抽出し、国境地域での大規模演習を実施していましたので、衛星写真を見てからこれだけ兵力を集結させ訓練させ物資弾薬を集積、このまま侵攻せずに引き下がることはあり得ないと確信しました。

 日本の平和運動や、リベラルを自称する識者や政治家、学生運動までも、戦争をあおるなとか、ロシアの主張、かなり荒唐無稽に思えたのですが、ウクライナでの大量破壊兵器開発な、ナチス残党勢力説、大統領がユダヤ人であるにもかかわらず主張がロシア側によりなされ、検証する機会も許されなかった、戦争を防ぐには防衛しかないと考えさせられた。

 OECD全欧安全保障協力機構、もともとはソ連の呼びかけで創設された組織が、ウクライナ東部地域でのウクライナ領内では人道問題は発生していない、と結論を出し、そして監視団が駐留しているために、かくして実行されることも不可能で、ロシアの主張するロシア系住民への大規模殺戮や民族浄化などは全くない、という結果が出ているにも関わらず。

 日本のリベラルと平和運動は、もう少し認識を改めて、とにかくロシア軍がウクライナへ侵攻した、という事実を認める能力は、ロシア国内よりも早かったのです、何故ならロシア政府は、ウクライナへ侵攻していない、と最初の三か月間は主張し、キエフ攻防戦やハリコフ方位失敗の時点でも、欧米によるフェイクニュースだ、という主張さえしていた。

 戦争が始まった、という事実を認識するのは日本のリベラル層や平和団体よりも早かったのです、現実を見る能力があることを今回示せたのですから、なぜ戦争が起こるのか、ということを認識するべきですし、手段としての平和、つまり結果としての平和は不要、と考えるのか、結果としての平和のために手段を考えるのかとの点も明確にすべきでしょう。

 京都だけだとは思えないのです、しかし、ウクライナ反戦運動として、ウクライナが抵抗をやめれば戦争が終わる、というような主張は京都駅前でも三条の交差点のところでも、京阪の前でも、見かけるのですね、賛同できる論点ではないのですが、安全保障と防衛に関する関心と情報を得ようとしないままの論調というものは何か別のものを思い出させる。

 コロナワクチン接種反対デモ、これと印象としてはよく似ています、コロナウィルスは存在しないとか、マスク反対とか、コロナによる死者は出ていない、というデモ、アジテーション、下火に放ってきましたがこれと印象はよく似ています、科学的に、つまり第三者が納得できる検証を取っていない、主張に対する分析を行っていない、こうした点で同じ。

 安保反対、この主張は良しとしましょう、しかしこれはいつの間にか、日米安全保障条約反対、という論理を超えて日本では、安全保障反対、という論理や、もう少し進んで安全保障とは何かを考えることさえ反対、無防備や為すがままに過ごすことを推奨するように論理が飛躍しているように思えるのですね、だからこそ議論まで進まず叫ぶだけとなる。

 議論にさえ反対しているようにおもえる、この危険なところは安全保障のあり方を議論する土台さえ拒否しているために、政策に反映できない、また、政策と議論するという方式さえ拒絶している構図は、主権者として安全保障の論議を拒否し、結果論として与党の進める防衛政策や外交政策に、反対するだけで議論しないため、既定路線に影響が及ばない。

 ウクライナの現状を考えたうえで、安全保障を拒否し、そして自分が主張する通りに動いた結果のウクライナが抵抗をやめてしまった状態での暗い未来が、日本で現実化した場合はどうなるのか、という視点まで踏み込んで考えるべきではないか、こう思うのです。それでは、ロシアが求めるウクライナの譲歩とはどういうものなのか、日本に当て嵌める。

 選挙の結果をロシア政府が管理し、投票行動と投票箱は選挙結果とは別枠で行うことを受け入れる、ロシアがまずウクライナに求めたのは、選挙結果の議員と大統領はロシア政府が適任の人を就任させ、国民は選挙に行った、つまりロシアの意思はウクライナの意志、という状況を受け入れろ、ということです。それ以外の人間は逮捕か不審死か失踪する。

 ウクライナの非武装化と、非ナチ化、特にロシア政府の主張は、ナチスの定義を示さず、むしろ今の欧米の民主主義こそナチズムだといわんばかりのドイツ脅威論さえ、2023年に入り挙げ始めました、譲歩すれば戦争は避けられた、しかし国民の権利を維持したうえでの戦争回避の方法はなかった、相手の意思次第で譲歩のしようはない、この現実をみるべきです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-神奈川,藤沢駅前-横須賀に近い街で頂くイタリアンなステーキ

2023-02-11 14:44:18 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 横須賀市内のお店はこの日混雑していましたのでJR横須賀線にて鎌倉の方角は江ノ電沿線の藤沢へ。

 横須賀基地周辺、定宿にしていました海軍旅館さんがCOVID-19影響によりついに閉館してしまいまして、BS放送の映る部屋、とご主人に電話で予約しますと、ああ、と帰ってきた旅館、横須賀駅すぐ近くで居酒屋さんやスナックにも近いホテルが、無くなった。

 鎌倉周辺、考えてみますと横須賀は横須賀基地で有名になっているわけですけれども、鎌倉に至る裏街道から発達した横須賀、つまりこのあたりで最も栄えていたのは幕府さえ置かれた鎌倉、寺社仏閣も多いのですが探訪した寺社は数えるほどで、もう少し巡りたい。

 藤沢駅周辺、お目当てのお店が最初にインターネット調べたときには余裕で営業時間のつもりだったのですが、やはりWeb情報なんてものは役に立たない、と嘆息しつつ、しかしここで引き下がって変なお店やにぎやかすぎるお店に入る気にもならない、こう巡り。

 開放感ある店内、つまり換気十分でカウンター席がある、つまりにぎやかな方々から距離を十分離隔できる、換気さえできれば感染対策は完結したも同然だ、どんなお店かよくわからないけれども、子供も見えるし入ってみればわかるだろう、と御一人さま入店という。

 モレッティビールをパイントで。トリアエズナマ、という日本語は有名ですがイタリア語で何というかわからなかったので、馴染みあるモレッティのビール1パイント注文します。なんでもここはイタリアンでピッツァとビールとワインがいろいろ楽しめるお店らしい。

 藤沢市鵠沼花沢町、藤沢駅の周りをぐるぐる回っていたつ折りなのですが南側の少しだけ歩いた距離の立地にGRANO,グラーノさんはあります。カウンターの面した入り口は広く開け放たれ、なるほどCOVID-19の時代にも換気が十分というのはうれしいところ。

 サラミの盛り合わせでビールとともに、ほかの料理を注文しますと流石はサラミさんたちは素早くテーブルに並ぶ、現在イタリアからの生ハムなどの輸入が停止しているために在庫限り、という寂しい備考欄がメニューにあります、味わっていただかねば。

 混雑していますと、こうした小皿を多めに注文しなければお楽しみの料理がいつ出来上がるのかがわかりません、しかし、どの程度の時間がかかるのかを読み切れずに注文しますと、大皿が到着したときにテーブルの上が散乱雑然としていては、ちょっといけずなもの。

 ピッツァは目の前の窯で焼かれているものですから、このいま焼いているまさにその子は私のところに来るのか、奥野穂王の方が注文したのか、空腹時にはこういうライバル意識が強くなる、空腹時に何杯もビールを入れていますから酔いも回る、早く来てくれよね。

 茅ケ崎の地ビール、バーバリックワークスを注文します。せっかく湘南のあたりに来たのですから地ビールといいますかクラフトビールを飲みたい、ペールエールというからさわやかに、今注文している今晩のお楽しみにもきっと合う一杯となってくれるのだろう。

 マルゲリータ、来ました。イタリアンなお店ならばパスタかピッツァです、店員さんがなんというか、ピッツァな国の方のようにも見えまして、つまりは期待できるというところですよ、ピッツァというのは似ているようで焼き手の個性が反映される、モッチモチだね。

 焼きたてのピッツァ、マルゲリータさんはね、もっちもちといいますか、餅菓子のように耳の部分が柔らかくて、しかしそれ以上にトマトソースの部分もたゆんたゆんに柔らかく、ここがチーズの弾力で支えられていて、口にほおばると酸味と香りと、旨い、が熱い。

 藤沢駅、ここは横須賀市内にもホテルはあるにはあるのですが、どうも基地近くを散策するにはちょっと使いにくい位置であるか、にぎやかすぎる位置でして、閉館の海軍旅館さんも再開しようと努力はしているといいますから、どうなるか気長に待とうと思うのです。

 ホテル事情、藤沢を選んだのはビジネスホテルとの利便性というものでして、ホテルと益が近いのだけれども、そこから繁華街まで、にぎやか過ぎない立地で、しかし飲食に不自由しない、更に雨天の場合でも移動はどうにかなる、という、微妙な匙加減で藤沢に泊まる。

 牛肉のサーロインステーキ石窯焼き、そう待っていたのはこの子です。チーズさえ載っているけれども、先ほどのおいしいピッツァを焼いた石窯で焼き上げたステーキなのだから美味しいに決まっている、これを野趣溢れるナイフでわっしわし捌いて噛んで胃の淵へ。

 サーロインステーキ、イタリアンのお店で出会えるとは、というよりもステーキを頂けるしっかりしたイタリアンのお店でこの時間帯に、混雑せず騒がれすぎずゆったりと過ごせる雰囲気とともに頂けるとは。冒頭に記したいけなかったお店も実はステーキ屋さん。

 ステーキって、要するにお肉を焼いただけなのですけれども、焼き加減と返しの時機を誤ればせっかくのお肉があぶっただけの肉片になりますから、焼き加減と返しの技巧というものはかなり重要なのだと思う、実際肉汁が程よく込められてステーキらしい美味しさ。

 美味しかった、いやあステーキの食べれるイタリアン、それで混雑していなくてビールもおいしいお店、探せばあるものです。こういう出会いがあるからこそ探訪といいますか街巡りというのはやめられないものです。また再訪、できるのはいつかと楽しみにしている。

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トルコ南部地震-死者2万1000名超へ,生存者捜索続く-トルコ政府初動の遅れと深刻なシリア内戦地域援助遅滞

2023-02-11 07:00:59 | 防災・災害派遣
■臨時情報-トルコ南部地震
 ヘリコプターを集中投入していれば。トルコと共にシリアの反政府勢力掌握地域での被害が非常に深刻なのですが後者については今を以て支援が不充分です。

 トルコ南部地震、死者数は残念なことに2万1000名を超えているようです。ただ、トルコ政府とともにNATOなど友好国も軍隊を派遣しており、昨日はスペイン海軍の空母ファンカルロス一世から水陸両用部隊が展開している様子が報道されていました。エルドアン大統領の初動の判断に一部批判があるようですが、ただ、阪神大震災を思い出すとどうも。

 トルコ陸軍の規模は48万名と欧州最大規模ですのでもう少し何とかならなかったのか、と思うところではあったのですが、指揮系統や作戦研究として大規模災害というものをあらかじめ運用体系に盛り込んでいるのはわが国陸上自衛隊くらいですので、被災地の状況把握、必要な支援と専門レスキュー部隊との連携はある程度経験が必要となるものなのです。

 日本の場合は阪神大震災、これもせめて静岡県のような日常から防災訓練に対応している地域であったならばもう少し違った対応ができたのかもしれませんが、あれは初動が失敗であった、と政府が認め、防衛装備品や部隊運用に関する改革が行われてこその、その後の災害派遣の円滑な実施というものがあるように考えるのです、その点トルコはまだ、と。

 しかし、多用途ヘリコプターを集中投入して被災地に専門の救助技術を有したレスキュー隊を輸送する、そのためにも、バイラクタルTB-2という有力な無人航空機を多数装備しているのですから、もっと無人機を活用、この部分は陸上自衛隊が送れている点だ、無人機を潤沢に装備するトルコ軍だからこその情報収集手段はあったようにも思うのは残念です。

 シリアについて。シリアは内戦中ですが、シリア民主軍など反政府武装勢力の掌握地域での被害がかなり甚大で、報道によれば日本時間9日にようやく最初の国連からの車両が現地に入ったという、被災者、特に倒壊家屋の下の生存者が助かる時間内には国連からの支援もほとんど届かなかった、という点は非常に残念です。紛争地の災害、検討せねばなりません。

 紛争地の災害というものは、人道的介入という意味合いは有していても、紛争当事国にとり第三国の介入として紛争を拡大させる可能性がありますが、一方の勢力に対して肩入れしていると認識されたとしても、現状、あの規模の災害を看過する事はやはり人道上問題の方が大きいのです、この点で今回のシリア人道支援は失敗と云わざるを得ません。

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