北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.02.25-2023.02.26)

2023-02-24 20:04:22 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週は銀閣寺に行きたいなあというほどの吹雪が舞いましたが雪の日も多いと艦要る寒さの中で皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今週末も自衛隊関連行事はありませんが、昨日まで大阪南港に強襲揚陸艦アメリカが入港するという、ちょっとすごい話がありました。撮影へ行くかどうか、かなり迷ったのですけれども入港場所がかなり撮影が難しい場所であり、アメリカの姿を一目見ることは簡単そうなのですが入港している埠頭から撮影した場合、立ち入りがかなり制限されていた。

 強襲揚陸艦アメリカ、アメリカ海軍がワスプ級強襲揚陸艦に続く揚陸艦として整備したもので、航空機運用に特化した全通飛行甲板型の揚陸艦です、もっともウェルドックを有していない点はやはり水陸両用部隊である海兵隊には使いにくいようで、フライト2という後期建造艦からはウェルドックを備えた構造に改められているというのは設計の特色だ。

 F-35B戦闘機、今回大阪南港に入港した揚陸艦アメリカは訓練航海の途中という事で、艦載機であるF-35B戦闘機、岩国航空基地に展開する第1海兵航空団の機体なのですが、これらを満載していて、いわば、2021年に横須賀を親善訪問したイギリス海軍航空母艦クイーンエリザベスのような、F-35Bが満載されている、という点でも注目の寄港でした。

 ボノムリシャール、艦番号がボノムリシャールとアメリカは同じ“6”となっています、ワスプ級とはLHAとLHE、区分が異なるために起きた偶然ですが、ボノムリシャールは残念なことに火災事故により全損となり廃艦となった、しかし佐世保に前方展開していました時代が長く、ちょっとだけなじみのある強襲揚陸艦の廃艦を寂しく思ったものです。

 佐世保、強襲揚陸艦アメリカは佐世保に前方展開しています。ですから大阪南港で撮影するというのは、F-35Bを満載している佐世保では見ることのできない実戦的な艦容を撮影できるのでは、と意気込んだものですが、これは出入港じゃないとなあ、ということから、改めて今度は佐世保まで行って、そこで撮影しようと気持ちを切り替えた、考えた末に。

 大阪南港、対岸に緑地公園はあるのですが残念ながら入港して接岸している際の艦首が、どうしても斜め後ろから撮影する構図となりますので、これは出入港の際に水道や海峡を航行中の様子を撮影するか、チャーター船で警備に問題の生じない1マイル以上離隔した場所からしれっと釣り船の振りでもして撮影するしかないのだなあ、というとことです。

 基地付近の散策でなくとも、例えばこうした場所を日常から散策しておく、というのは意味があるのかもしれません。無論、港湾はこの20年間、改正ソーラス条約という、2001年同時多発テロを背景に整備された重要港湾防護法整備により、安易に撮影できるからと立ち入る場合は検挙対象となるように厳しい措置があり、大阪南港は特定重要港湾の一つ。

 2020年代は、便利な時代です。いやそれは2010年代から、と反論されるかもしれませんが出入港の際に、これが報道ヘリコプターなどから撮影された画像とともに、衛星写真などで詳しい接岸位置を特定し、その周りに立ち入ることができるのかをタブレット端末一つで調べられるという、こんな便利なものはWeblog北大路機関創設の2005年には無い。

 海辺の散歩、こう書くとなにかこう浪漫あふれる表現となりますし、艦艇が入港していない時でも次の、例えば練習艦隊近海練習航海とか、機会には撮影場所を予習しておけるでしょうし、おいしいお店も探せば意外なほどにある。自衛隊関連行事のない週末には、こんな基地とは無縁のように見える海辺のお散歩してみるというのも、いいかもしれません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・行事予定:特になし 


■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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世界大戦の危機-一年前の今日,ロシア軍が隣国ウクライナへ全面侵攻しました-ロシアウクライナ戦争開戦一年

2023-02-24 07:00:08 | 国際・政治
■世界危機は二年目に
 ほんの一年前ですが、一年前の今日始まった戦争は第三次世界大戦への導火線上において激しい火力の応酬を続けています。

 本日はロシア軍ウクライナ侵攻開始から一年目となる日です。しかし、戦闘は拡大しており、ウクライナ東部において攻勢に出ている状況で、戦闘の長期化は年単位となり、懸念する今後の展開としては、今回ロシア軍は一定程度の弾薬や装甲車両の補填を待って東部での再攻勢に出た構図ですが、この小康状態と攻勢が数年単位で繰り返される可能性です。

 クリミア侵攻の時点でG8先進八カ国の一員であったロシアはG8から除名されていますが、かりにロシア軍がウクライナにおいて停戦に応じたとして、直ぐに世界からの経済制裁が解除され、防衛交流が再開するとは思えず、要するにロシア海軍艦艇が日本に親善訪問し相互の交流を行う時代というものは、そう簡単に戻る事は無い過去の時代となりました。

 日本の安全保障において、もっとも難しい不確定要素は、ロシアという国家を日本の隣国としてどのように考えるか、という事です。日本はウクライナへの武器供与を行っていませんが、それならばロシアから見た場合で日本は中立国という位置づけや頼れる講和仲介国になるのかと問われれば、経済制裁に参加している時点で日本は敵対勢力扱いでしょう。

 日ロ関係をどのように見るかで、日本の安全保障政策は根本から異なります。これは冷戦時代のような北海道への重戦力による着上陸の蓋然性が、切迫する程の状況で推移するようなことは当面ないのかもしれませんが、日本の安全保障は南西シフト、として冷戦時代の防衛力を南西方面へ向ける事で対応していた、その前提が崩れる事を意味している。

 北海道、日本から見た場合にロシアウクライナ戦争が及ぼす問題は、この戦争によりロシア軍が停戦後どのくらいの期間で再度北海道へ脅威を及ぼす程度に戦力を再興するか、という問題ではなく、今回の戦争に置いて使われていない戦力を地域紛争において表に出す、状況です。使われていない戦力とは、核戦力による恫喝、というものはもっともおおきい。

 新しい時代に突入し、進んだ時計の針を戻す事は出来ない、我が国で認識しなければならないのはこの事実であり、欧州ではNATOを中心にウクライナ支援を進めると並行してロシア軍の侵攻に警戒している状況ですが、それは遠い欧州の話というものではなく、ロシアは日本の隣国であり、脅威が及ぶ可能性という現実も、直視するべきなのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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